降谷零 中編小説＊2

【冷たい】 ページ30

「僕の婚約者です」

『違います。あり得ません。離れてください』



ポアロでアルバイトしている降谷さんに届け物をするために渋々来たら、とんでもない事を言い出した安室透



「照れなくてもいいじゃないか」

『照れてません。うざいです』



私の腰に手を回して抱き寄せてくる安室透の足を踏もうとするが避けられた。

次に肘で鳩尾を狙うとその手を取られ掌にキスをされた。



「今日は随分積極的ですね」

『それ以上喋らないで貰えます？』



女性客の叫び声が店内に響く



安室透に『怒りますよ』という意味の笑顔を向けると最高級だろう笑顔を返された。

それに、イラッと来たので胸ぐらを掴み引き寄せて頭突きを食らわせた。



「愛情表現が大胆ですね」

『日本語通じてますか？』



胡散臭い笑顔とまったく会話が成立しない事に苛立つ。

安室透はおでこを押さえながら顔を歪ませ、私にしか聞こえない声で「後で覚えてろ」と言い捨てた



目をギラつかせて





それにおもわずきゅんとする




あとでめちゃくちゃ怒られた









「(人1)はいるか？」

『はい！はい！降谷さん！何ですか？』



警察庁のオフィスに降谷さんが久しぶりに登庁してきた
書類整理から部下に指示を出したりと忙しくする降谷さんに呼ばれすぐに向かう



「これをまとめておけ」

『了解です！あ、今夜一緒に食事しませんか？』



渡された書類に目を通しスケジュールを立てる
今日中に終わる内容なので降谷さんを食事に誘う



「めんどくさい」

『そー言わずに！私が奢りますから！』



断られてもめげずに誘う私にため息をつく降谷さん
呆れた顔も素敵



「牛丼な」

『わぁ、食べてすぐに帰るコースですね』



『出来ればお話もしたいです』と伝えると
「黙って仕事しろ」と目で訴えてくる





冷たい降谷さんにきゅんとする





笑顔で優しい言葉を並べる安室透よりも
不機嫌で冷たくあしらう降谷零のほうが





かっこいい！





『降谷さん！降谷さん！』

「うるさい」

『私に冷たい降谷さんが好きです！』

「知ってる」





くすくす笑う降谷さんは最高にかっこいい！

【童顔】＊上→←結愛シリーズ【嫉妬】＊下

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す