降谷零 中編小説＊2

結愛シリーズ【嫉妬】＊中 ページ28

かわいい二人に詰め寄られて罪悪感だけが募る

結局何も言えなくなってしまい、どっちの味方にもなれずに二人は号泣してしまい


慰めるのがとてもとても大変だった



私が『ごめんね』と謝ると



「(人1)は悪くないだろ」

『お母さんはいいお母さんだよ！』



二人で私の好きなところを語り合って仲直りのハグをする




喧嘩から仲直りまで4時間かかったことをしようとは誰も思わないだろう









私が遠い目でため息をつけば何かを察してくれたコナンくんはソファーに座ったまま



「そーいえば、駅前のケーキ屋さんが新作のケーキ出したんだってー！蘭姉ちゃんと食べに行ったらすごく美味しかったよ」



と、二人に聞こえるようにわざと声を大きくして喋り出す
コナンくんの話に合わせながら会話していると結愛の部屋の扉が少し開く



『ぐす、ケーキ？』

「結愛！泣かせてごめん…仲直りのケーキを食べに行こう？」

『結愛も……ごめんなさい』



結愛が出てくると勢いよく抱き締める零さん
おでこをくっつけて無事に仲直りした


零さんは結愛の涙を拭いながらおそるおそる声をかける



「俺の事嫌い？」

『ちがうの……だいすき』



結愛は零さんの首に手を回して抱っこをねだった
零さんは嬉しそうに結愛を持ち上げて背中を撫でると結愛も嬉しそうに照れながら笑う



二人を見て私の頬も緩んでいく



甘い空気が充満した部屋でコナンくんが慌て出す



「そのケーキ半年先まで予約で埋まっててすぐには無理だと……」



コナンくんの言葉に結愛の瞳からはまた大きな雫が溢れ出す。



『うぅ…………ケーキたべ…ぐす』

「大丈夫だ。俺がなんとかする」



零さんは真剣な顔をしてスマホを取り出し誰かと通話する



絶対零さん裏口から行く気だ、とコナンくんと顔を合わせてため息をつく








「よし！皆で行こう！」

『うん！コナンくんも一緒に行くよ！』

「ハハハ、……今甘いものはちょっと」

『私と一緒に珈琲でも飲もうね』

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