【約束した場所】主題歌*上 ページ25
気づいてしまった
零さんの仕事は警察官としか知らなかった
配属もどんな仕事をしているのかも知らない
知ろうとも思わなかった
知ってしまったら
もうそばにいられない気がした
零さんの後ろを追いかけていたのに
それじゃ駄目なんだと気づいてしまうから
大学の講義が終わり急いで家に帰る
久しぶりに零さんに会える
「会いたかった」
『私も』
インターホンが鳴り鍵が開く音がして玄関まで迎えに行く
スーツ姿の零さんが玄関を開け中に入るとキスをしてくれて、手を繋いでリビングまで歩く
他愛もない話をして
一緒にご飯を食べて
のんびりと過ごした
携帯が鳴り零さんはベランダへ出る
私に聞こえないように窓ガラスを閉めて
零さんが脱いだスーツのジャケットをハンガーに掛けようと拾い上げると胸ポケットから焦げ茶色のパスケースと鍵が落ちてきた
『あ、』
ポケットに大事なものを入れてる時の零さんは切羽詰まってる時や不安な時
ちらっと零さんを見ると私に背を向けてガラスに背を預けていた
パスケースを拾うと中が開く
零さんの顔写真とその下には所属が書いてあった
気づかれないように胸ポケットに警察手帳と鍵をいれてハンガーに掛けた
ドキドキと煩い心臓を落ち着かせながらソファーに座る
「すまない」
『ううん。気にしないで下さい』
上手に笑えていただろうか
零さんは私を強く抱き締めて深く息を吸う
離さない
まるで、そう言うみたいに強く
「好きだ」
『私も好きですよ』
零さんの背中に手を回して強く抱き締める
離れないで
そう伝えたいのに声にならなかった
その日から
零さんがいなくなる夢を見る
俯く私になにも言わずに去っていく夢を
大学の教室
机の上にはいくつものパンフレットが並ぶ
その中の一つを手に取って職員室へ向かう
『お願いがあります』
担当教師は念を押すように何度も同じことを聞いてくる。私は目を逸らさずに頷き『覚悟は出来てます』と答える
零さんに『会いたい』とメールを送るとすぐに返事が返ってきた
待ち合わせは私の家ではなく大学の前にしてもらった
車ではなく歩いてきてくれた零さんにお礼を言って手を繋いで歩き出す
『零さん』
私の呼び掛けに反応しなくなった零さんを見上げる
右手をポケットに入れて考え込む零さんは
左手に繋いだ私の右手が離れたことに気づかずに歩く
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憂(プロフ) - 無銘さん» ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2017年11月30日 13時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - 公安ホームズについてですが、志保が夢主より年下の場合、その旦那に当たる赤井は夢主の弟にあたります。つまり、降谷からしても赤井は弟になるので、兄と言う表現は間違ってますよー (2017年10月13日 23時) (レス) id: 9e2dbad905 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - りんさん» りんさんいつもありがとうございます! (2017年8月17日 15時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続き楽しみにしてますやっぱり話が面白い!! (2017年8月17日 15時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - 零音さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2017年7月30日 5時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂 | 作成日時:2017年7月11日 23時