降谷零 中編小説＊2

【デートは強引に】＊4完結 ページ20

桜井を見るときょとんと首を傾げて『黒のほうですか？』と聞いてくる
中身は何か知らないようだ



ため息を吐いて懐にしまう







帰りの車の中、助手席に桜井を乗せ見慣れない道を進む

デートの詳細を事細かく話す桜井はとても楽しそうに声を弾ませる



『久しぶりに誰かと買い物しました』



窓の外を見て悲しそうに呟く桜井が綺麗で自然と言葉が溢れた



「(人1)、俺と付き合え」

『いいですけど』



テンポよく返事が返ってきて隣を向けば目をしょぼつかせうとうとしている桜井



『今日はもう疲れたのでまた今度にしてもらえますか？……あれ、今名前で呼びました？？』



言葉の意味が伝わらなかったらしい



「あの子は言葉より行動しないと手に入らないわよ」



ベルモットから言われた事を思い出す





車をUターンさせ慣れた道を進む
『えー、私疲れましたー』とキャンキャン言っている桜井を無視し車を走らせる





『…………誰のマンションですか？』



とことこ俺の後ろをついてくる桜井の手を取りエレベータに乗り込み家の鍵を取り出す

『え、もしかして降谷さんの家ですか？』
色々質問してくる桜井を無視し続けるとキャンキャン吠え出す





「さっきの意味教えてやる」





玄関を開け桜井を近くの壁に押しやって唇を奪う
ドアが閉まる音が静かな部屋に響く





真っ赤な顔で口を開けている桜井を見て口許が緩む





「俺の事しか考えるな」









初めて降谷さんの愛車に乗る



ドキドキとうるさい心臓を悟られないように今日のデートの内容を話していく



ハンドル握ってる降谷さんかっこいい





会話が途切れ車内が静まり返る



降谷さんが私の名前を呼ぶ



「(人1)、俺と付き合え」



意味はちゃんと分かっていたけど
降谷さんと私は釣り合わないし



降谷さんにはベルモットのような綺麗な大人の女性が相応しい



曖昧に誤魔化すと何処かに連れていかれる

え？もしかして私の勘違いだった？普通に何処かに付き合ってって事だった？



着いたのはマンションで私を引っ張って進む降谷さんに着いていくと





壁ドンされました





ファーストキス奪われました





「俺の事しか考えるな」





私の顔は真っ赤で降谷さんは優しく笑う

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