降谷零 中編小説＊2

結愛シリーズ【ポアロ】＊上 ページ15

カランカランとベルの音が鳴ると、甘く高い可愛らしい声が店内に響く



『いらっしゃいませ！ポアロへようこそ！』



キラキラと輝く笑顔を振り撒いているのは安室心結。本名、降谷結愛

安室透こと、降谷零と降谷(人1)の一人娘



「……いらっしゃいませ」

『コナンくん！笑顔で！』

「ハハハ……イラッシャイマセ」



昼のポアロはお客さんで賑わっていて外には行列が出来ていた。次々と入る注文に安室さんと梓さんが忙しく動き回っている



『本日のおすすめはアイスコーヒーとハムサンドになります！』



安室さん似の最高級の笑顔を振り撒いている心結はとても楽しそうにエプロンを揺らしている


黄色い声をあげる女性客や頬を染める男性客、暖かい目で見守っている年配の夫婦など幅広い客層がいる



『本日はご来店ありがとうございます！またお待ちしてます！』



照れた顔でお見送りをする心結に皆が釘付けで、飴やお菓子を貰ったり、差し入れまでくれるお客さんもいる

その中には見覚えのある男達もちらほらしている
公安警察の風見さんやその部下の人達など一時間おきに出入りしている



『コナンくん！お客さんがケーキくれたよ！』

「……これって駅前に出来たばかりの高級ブランドのケーキだよな？」



心結の腕の中には高級な白い箱に入ったショートケーキが5個入っていた。



『お父さん！あとで食べてもいい？』

「あぁ、それより働きすぎだ。コナンくんと一緒に休憩し」

『あ、はーい！今行きまーす！』



安室さんが険しい顔で心結に休憩を促すが、若い女性客に呼ばれて行ってしまった。
ちやほやされている心結を複雑そうな顔で見つめる安室さん



「僕の心結が…………」

「安室さん……大変だね」



すっかり日が暮れ始めてお客さんもまばらになってきた。
もうそろそろ(人1)さんが迎えに来てくれるだろうと思いながら心結とカウンターでオレンジジュースを飲んでいるとベルが鳴る



『いらっしゃいませ！あ、お母さん！沖矢さん！！』

「心結お待たせ」

「久しぶりですね。心結さん」



沖矢さんこと赤井さんを見ると頬を染め駆け寄っていこうとする心結を抱き上げる安室さん。大人げない



「(人1)お疲れ様。…………なぜそいつと一緒にいる？」

『帰る途中で会ってここまで送ってもらったんです』

『沖矢さん！お話しましょう！』



バタバタと暴れる心結をしっかりと抱えて沖矢さんに威嚇する安室さんはもう降谷零の顔をしていた

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