Story__3 ページ5
「ほら、部屋紹介してあげるからこっち来な」
「はーい!ありがとう、マチ!」
「…別に。」
少し微笑ましい、穏やかな雰囲気を保ったまま歩き去っていくマチとマオ。
あの後、面倒を見てもらうことになった私達は…いや、マオは彼らの空気に溶け込んでいた。
私だけまだ話せないままでいる。
"フェイタン=ポートオ"にジロジロと睨まれたくらいだ。
奥へ進んでいく彼女達に行かないでほしいのだが、結局男だと勘違いされたままクロロと同室になってしまった。正直終わったと思う。
周りを見るとシャルナークがフィンクスとコソコソ話していたが、内容は丸聞こえで、マオの話をしていた。
…確かに、マオは恋愛漫画のヒロインのよう。
誰もが羨むルックスに整った顔つきは、女性でも見とれてしまうだろう。
実際に小さな声で話す彼らも目を奪われていたらしい。
「なぁ、A」
項垂れるように深い溜め息をついていると、フィンクスに声をかけられた。
何だ、と返事を一つすれば彼はズカズカとこっちへ近寄り、また口を開いた。
「あー…その…お前、マオと付き合ってんのか?」
「は?」
何を言っているのか分からないで、思わず聞き返してしまった。
付き合っている…?
「…俺、達は知ってると思うが、気づけばここにいた。
たまたま知り合っただけだ。」
「ふーん…本当にそう?」
俺という言いなれない一人称に緊張しつつも、答えればシャルナークもニヤニヤと笑いながら近づいた。
「恋愛感情を抱いてるかってことが聞きたいのか」
「なっ…!違ェし!」
「その反応、肯定してるのと一緒だよ」
「お前もだろうが!」
いつの間にか打ち解けていて、三人で騒いでいると首根っこを掴まれた。
グイグイと引き寄せる手はすぐにクロロだと理解した。
「A、少し来い」
「…あぁ。分かった。」
団長モードだとあまり笑っておらず、威圧感が凄まじい。
殺気が漏れてるぞ、なんて言えないまま彼の後を追いかけた。
...
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のばら(プロフ) - 名無しさん» いえいえ。これからも応援してます!頑張ってください。 (2018年7月2日 18時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - のばらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。先程表記ミスの話を修正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: 3c8a0d7009 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - 初めまして。この作品とても面白いです。けど、途中からマオちゃんの名前が(美少女)という風に表示されていて、直して欲しいなって思っています(・_・; (2018年7月1日 21時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2018年4月12日 1時