Story_28 ページ31
少しばかり時間が経ち、ジリリリと音が鳴る。
受付けを終了いたします、と言いながら彼は前方に立っていた。
突然の登場に周りは少しざわめく。
｢二次試験まで私について来ること。
これが一次試験でございます。
場所や到着時刻はお答えできません。
ただ私について来ていただきます｣
｢えぇー走るだけかよ！つまんねーな。｣
サトツさんのセリフの後、キルアは残念そうに言った。
確か、最難関だと聞いてこの試験に来たんだよな。…それにしても、
｢…試験に面白いもつまらないもないけど｣
｢そうだけどさ…｣
｢二次試験に行けば、もっといいことあるかもしれないだろ？｣
｢んー…分かった。
A、どっちが早くゴールできるか競争しようぜ｣
｢はいはい。｣
すっかり私達が話し込んでいると、気づけばサトツさんの声は響いていた。
｢…先程のように受験生同士の争いで、
再起不能になる場合も多々ございます｣
…それは十中八九…間違いなく、ヒソカのことだ。
ちなみに誰か後片付けはしたのだろうか、と少し気になってしまった。
私も随分、感覚が狂いつつある。
｢それでも構わない__という方のみ、ついて来て来ださい｣
既に皆歩き…否、走り出していた。
試験監督は大股で歩き、試験者達は走り。
既に実力差は見えているが。
｢おいA、置いてくぜ｣
気づけばキルアも…いや、コイツはスケボーがあったんだった。
初っ端から乗っている。
ズルじゃないか、と聞けばダメって言われてねーもん、と返ってきた。
この後、全く同じ回答が聞けるのが楽しみだ。
｢はいはい、こっちが置いてくからな｣
｢うわっ、待てってば！｣
二年ほど鍛えた体は出来上がっている。
スピードを上げて走れば、キルアをすぐに追い越した。
そして斜め後ろから私を追いかけている。
｢なぁ、Aこそ何者なんだよ｣
｢…ただの記憶喪失者かな｣
そういえばキルアは目を見開いた。
…私だって、薄々気づいていたのだ。
元はこの世界の住民なのだと。
そして…ここでの空白の時間は、逆に私が"現実だと思いこんでいた世界"にトリップしていただけなのだと。
しかし私は向こうで生まれた記憶もある。
要するに、ここでの記憶はトリップした時に失われた、と考えられるのだ。
…あくまで考察なのだが。
｢は…？ちょ、変な嘘つくなよな！｣
｢はは、悪い｣
軽く笑えば、向こうも笑った。
…できればそのまま私ごと忘れてくれ。
……
続く (更新停止中)
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のばら(プロフ) - 名無しさん» いえいえ。これからも応援してます！頑張ってください。 (2018年7月2日 18時) (
レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - のばらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。先程表記ミスの話を修正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: 3c8a0d7009 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - 初めまして。この作品とても面白いです。けど、途中からマオちゃんの名前が(美少女)という風に表示されていて、直して欲しいなって思っています(･_･; (2018年7月1日 21時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2018年4月12日 1時
