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Story_10 ページ12

深く息を吸って吐き出す作業を二回ほどしてみたが、私の向かいに座る彼は、変わらず警戒している。

それを察したであろう、隣の彼はゆっくりと話し出した。


「…ノブナガ、分かっていると思うがこいつはただの一般人に値する。
軽い記憶喪失で、気づけばこの流星街にいたらしい。」

「ほう…それを匿ってる、っていうのか?」

「まぁ、そうなるな」


項垂れるように長い溜め息をついたノブナガ。


確かに身元が分からないようなやつを匿うなど、普通ではありえないだろう。

相手の身にもなれば、引き受けたくない心情を考えずとも理解出来る。


「こんな野郎が、なぁ…。使えんのか?」

「さぁな。体力もないだろうから、あまり考えていない」


きっぱりと言われた言葉に表情が少し曇る。

私は傷ついて。彼は怪しんで。


「ま、クロロがそう言うならしょうがねえな。
俺ぁノブナガだ。お前は?」

「…Aだ」

「とりあえずは宜しくしてやるよ」

「それは嬉しいことだな」


一気に穏やかな空気へと変わる。

先程の無礼な奴とは違って、随分人当たりのいい奴だ。
本当に良かったとつくづく思った。





あの後、ノブナガはウヴォーギンを探しに行き、私は黙々と本を読み進めていた。

意外と内容も凝っており、面白いのは良い事だが、この本をフェイタンが持っているという事実だけは未だに疑問である。


次の頁、と捲ってみると違和感を覚えた。
少し話が違う気がしたのだ。


「嘘だろ…?」


前後を確認してみると数枚破られていたのである。

そろそろ終盤だったのだが、こればかりは読む気が失せてしまった。


様子が変わったことに気づいたのか、隣のクロロは一旦読むのを止めた。


「どうした?」

「…頁が数枚無いんだ」

「ご愁傷様だな。…ちょっと待て、それ」


一度あしらわれたかと思いきや、彼は立ち上がって本棚へ向かった。

考えるフリをした後すぐに戻ってきて、見覚えのある表紙の本を差し出した。


「まさか、これって…」

「"パンドラの砦"…俺も持ってる」


それは今、私が持っている本と同じものであった。


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のばら(プロフ) - 名無しさん» いえいえ。これからも応援してます!頑張ってください。 (2018年7月2日 18時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - のばらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。先程表記ミスの話を修正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: 3c8a0d7009 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - 初めまして。この作品とても面白いです。けど、途中からマオちゃんの名前が(美少女)という風に表示されていて、直して欲しいなって思っています(・_・; (2018年7月1日 21時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し | 作成日時:2018年4月12日 1時

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