ティーチの能力。02 ページ9
「"闇"とは引力！全てを引きずり込む力！！一切の光も逃さねェ……無限の引力だ！」
「肝心の俺に……届いてねェじゃねェか」
腰に手を当てながら、エースは辺りを覆う闇を見回す。
「まだお前らにゃ手は出さん……！！そこで町を眺めているといい！――"闇穴道"！！」
その瞬間、建物がばきばきと軋み始め、倒壊して闇に吸い込まれていく。見る見るうちに建物はなくなり、あたりはだだっ広い荒野になった。草木一つ残っていない場所に俺は呆然とする。
「"闇"の引力は物体を無限の力で凝縮させ……押しつぶす……！！」
広がっていた闇がずるずるとティーチの足元に収縮する。
「消えた町なら、今見せてやる……！！"解放"！！」
立ち昇っていた闇から粉々に砕けた建物が飛び出してきた。がらがらと音を立ててそれらはあたりにぶちまけられる。遠くで避難したらしい町の人が悲鳴を上げた。
「ゼハハハハ！分かったかエース！これが俺の手に入れた能力！」
力を見せびらかしふんぞり返ってティーチは笑った。そんなティーチの周りにふっと穏やかな色をした光が舞う。まるで蛍のようなそれはエースの指の動きにあわせて、一気にティーチに牙を剥いた。
「――"火達磨"！」
ティーチが真っ赤な炎に包まれ、ぐああと痛々しい悲鳴を上げた。先ほどと同じようにティーチは地面に転がり、必死に鎮火しようとするが炎は身体に纏わりついて中々消えない。無様なティーチの様子にエースはふんと鼻で笑い、不思議だな、と言う。
「自然系ならこんな攻撃、受け流せてもいいだろうに」
そういえば自然系は物理攻撃を喰らわないはずなのに、ティーチは喰らっている。苦しそうに悲鳴を上げるティーチをちらりと見た。闇がぶわりとティーチの周りの炎を覆う。
ゴクン――まるで飲み込むかのように闇は炎を消した。ぞわりと鳥肌が立つ。ティーチがその気になれば、島ひとつ闇で飲み込む事なんて容易いのだろう。
ハァハァと肩で息をしながらティーチは立ち上がった。
「言った筈だぞ……！闇は全てを引きずりこむ。銃弾も刃も打撃も火も雷も……！お前と違って攻撃を受け流すことなどできず、俺の身体はあらゆる"痛み"まで常人以上に引き込んじまう！」
だが、そのリスクと引き換えにもう一つ引きずりこめるものがある、とティーチは手を前に突き出した。黒い闇の腕を向けられて、冷たい汗が背中を流れる。
「"闇水"！」
「「！！？」」
Aの前にいたエースが突然ティーチの方へとぶっ飛んだ。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
