日本人の性。02 ページ28
「手間掛けさせやがって……」
「あ！ご、ごめんね、キャプテン！」
黄色いパーカーに白いボアの帽子をかぶり、長い刀を持った長身の男がやれやれとため息を吐く。目の下には真っ黒い隈が出来ていて、体調が悪そうに見える。彼が船長のローで、その隣にいる"PENGUIN"と書かれた帽子の彼がペンギンのようだ。
ベポの仲間である彼らの顔を見回す。やたらと個性のある面子だ。
「で、そいつは誰なんだ？」
「この人はA！一緒に探してくれてたんだ！」
三人の視線を受け、俺はほんの少し頭を下げた。三人とも長身で、言っては悪いが人相が悪いため何にも悪いことをしていないのに萎縮してしまう。
「うちのクルーが世話になったな」
「いえ、困った時はお互い様だから……」
俺が小さくなっているとローが言葉少なに礼を言ってきた。怖い顔をしているけれど意外と常識人らしい。頬を掻きながらおずおずと返し、小さく笑う。仲間に会えたなら目的は達成したし、俺が長居する必要もない。
「じゃあ俺はここで……」
「え！A帰っちゃうの！？」
まあ、そりゃあ俺にも帰る場所があるし……。そう言うとベポがしょぼんと眉を下げる。
まん丸な目が悲しげに歪められ、俺は上手い言葉を捜して視線をローとシャチ、ペンギンへと向けた。シャチとペンギンは俺からさっと視線を反らし、ローは何の感情も読み取れない目で此方を見返してくるだけだ。
くそ、こいつら……！内心で文句を呟き、Aは顔を引きつらせた。
「そうだ！ねぇ一緒にご飯食べようよ！お礼も兼ねて！」
良いことを思いついたとベポが手を打ち鳴らす。確かに昼時ではあるが、そんなに大したことはしていないのにご飯まで奢られるのは申し訳ない。断ろうとAが口を開くよりも前に先にシャチが口を開いた。
「それがいいな！俺、もう腹へって腹へって……！」
「じゃあ決まりだね！A！」
いや、俺、いいです。とは言えず、ベポに手を引かれるまま俺は彼らと一緒に歩き出した。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
