�� ページ19
「そしたら俺、校門で待ってるね。じゃ、また後で」
ナカム君がそう言って手を振ると、教室のドアへ向かう。
そこで気付いたのだが、よく見ると他の女子はきゃあきゃあしながらナカム君を見てるし、ナカム君がそれに気付いて手を振ればさらに色めき立つ。
なるほど、もしかしてあれが＜
「ねぇ、ナカム君どう思う？さっき王子とか言ってたけど」
「え？知らんの？一年の間では有名じゃん。いや実物間近で見ると可愛い顔してるわ〜。でも手の大きさとか男の子だな〜って思う」
「……アンタの趣味って、確かアイドルの追っかけだったよね」
「そうですね」
「もしかして耐性？あるのって、それ？」
「耐性？ああ、イケメン慣れってこと？それはあるかもなー。いや、ナカム君かっこいいと思うよ？思うけど、私は推しが一番」
ナカム君、＜
それとも類友ってやつ？
「話戻るけど、王子って？」
「あぁ、だから一部の女子からそう呼ばれてるんだよ。すごいぞ？入学してからまだ２週間しか経ってないのに、この学校は６つの派閥に分かれ混迷を極めている」
「戦国時代みたいな言い方やめて……」
「まぁその話は来週ゆっくりするよ。ナカム君、待たせてるんでしょ」
委員会の希望シートはアタシが出しとくからさ、と言い、２枚の紙をサッと手に取って「じゃあまた来週」と言い立ち去る友人。
アンタのがよっぽど王子様感あるわ。
さて、面倒だがナカム君から詳細を聞けるのは願ったり叶ったりだ。
今は少しでも情報が欲しい。
靴を履き替えて校門に向かうと、そこには軽い人だかり。
見ればその中心にいるのは、ナカム君だ。
やっぱり帰ろうかなと思ったタイミングで、水色の瞳に見つかる。
あ、と思った時には、ナカム君は人だかりをすり抜けてこちらに走り寄ってきた。
「危ない、見逃すところだった」
「見逃してくれても良かったんですけど」
「ん？あぁ、アレなら大丈夫だよ」
私がチラ、と遠くからこちらを見てくる集団を一瞥すると、それに気付いたナカム君がそう言った。
「ホントですか？私、厄介事に巻き込まれたくないんですけど」
「ちゃんと大丈夫な理由があるのよ、これが。それも含めて、ちゃんと説明させて？」
「……分かりました、そこまで言うなら」
「じゃあ、行こっか」
そう言って明るい笑みを浮かべるナカム君は、初めて会った時とはまたちがった印象を受けた。
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橘(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます！励みになります。 (2022年11月6日 5時) (
レス) id: 0b8a193a96 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - とても面白いです続き楽しみにしてます (2022年11月4日 22時) (レス) @page26 id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
橘(プロフ) - すいみん。さん» コメントありがとうございます！自分なりに意識してる部分なので、そう言って頂けるととても嬉しいです……！なるべく早く更新できるように頑張りますー！ (2021年9月13日 1時) (レス) id: ba43170f7a (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - ｱﾜ…めちゃくちゃ面白いです。詳しく周りの様子や自分の気持ちなどを書かれてるためか、なんかすごい自分がその小説の中にいるのではないか?と思ってしまいます。次の更新待ってます!頑張ってください! (2021年9月12日 23時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
橘(プロフ) - 狛村さん» コメントありがとうございます！励みになります……！！シンプルに面白いと言って頂けるのが本当に嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: ba43170f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橘 | 作成日時：2021年9月8日 9時
