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「うーん、そしたら保健委員とかどう？」
個人的に一番楽に感じるのは、保健委員だった。
誰かが急病で倒れたり大怪我をした時など、緊急性が高い仕事ではあるが、何もなければ比較的平穏に過ごせる。
体育祭では駆り出されるようだが、それもクラス内で怪我人が出た場合のみだ。
これでも世話焼きなので、具合が悪い子の付き添いは小学生から率先してやっていた方だと思う。
「お、いいね。それにしよっか」
「一応、ダメだったときの第二希望は？」
「んー、第二が図書委員、第三が美化委員かな」
「二人で入れるとこ優先？」
「いや、今の三つのどれかに出来れば入りたいかな。一緒にやろうとか言っといて悪いけど」
「ううん、ぶっちゃけ私もそんな感じ」
「じゃあそれで」
私と彼女は机から委員会の希望シートを取り出すと、第一から第三を同じように埋めた。
程なくして担任が教室に入ってきて、連絡事項を一通り伝える。
来週から本格的に授業が始まるからしっかりやるようにとの激励、部活動は絶賛入部体験期間なのでじっくり選んでゴールデンウィークまでに入部届を出すようにとの説明、委員会選びは人数調整の必要があるため来週の水曜日までに提出するようにとの連絡。
以上の三点をつらつらと述べ、日直が号令をかける。
うーん、このスピーディーさがありがたい。
さて、私も帰ろうか、とカバンを手に持ったその時である。
「Aさん」
名前を呼ばれたので振り返れば、そこにはナカム君が立っていた。
「王子来た」
友人がボソッと呟くが、多分聴こえてるぞ。
ていうか、他の人も王子イメージあるのね。
「この後、少し話したいんだけどいいかな？」
「え……」
「そんな露骨に嫌な顔しなくても」
そりゃあ、入学式初日の因縁の相手の１人だもの、これでも抑えた方だ。
もし相手がぶるーく君やシャークん君だったら、もっと苦虫を噛み潰したような顔をする。
「本当は会った時に詳しく説明するつもりだったんだけど、余計な邪魔入っちゃったからさ。ごめんね？」
うん、仮にもお友達を邪魔扱いとは、ナカム君もいい性格してる。
「もしかして、お友達と帰る約束してた？」
「あー、自分はこの後用事あるんでお気になさらず。後は若い人たちでごゆっくり」
「え？あ、あぁそう、じゃあお言葉に甘えて……」
そう言われたナカム君は、少々面食らった様子で愛想笑いをする。
おや、この状況どこかで……？
ていうか、なんでお見合いの仲人みたいなこと言ってるんだ。
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橘(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます！励みになります。 (2022年11月6日 5時) (
レス) id: 0b8a193a96 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - とても面白いです続き楽しみにしてます (2022年11月4日 22時) (レス) @page26 id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
橘(プロフ) - すいみん。さん» コメントありがとうございます！自分なりに意識してる部分なので、そう言って頂けるととても嬉しいです……！なるべく早く更新できるように頑張りますー！ (2021年9月13日 1時) (レス) id: ba43170f7a (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - ｱﾜ…めちゃくちゃ面白いです。詳しく周りの様子や自分の気持ちなどを書かれてるためか、なんかすごい自分がその小説の中にいるのではないか?と思ってしまいます。次の更新待ってます!頑張ってください! (2021年9月12日 23時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
橘(プロフ) - 狛村さん» コメントありがとうございます！励みになります……！！シンプルに面白いと言って頂けるのが本当に嬉しいです。更新頑張りますね！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: ba43170f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橘 | 作成日時：2021年9月8日 9時
