48話 ページ49
飛田「あれ、蛍ちゃんは?」
そーいえば、と周りを見渡す飛田と蜜柑。
“カゼを引いているので起こさないで下さい 今井蛍“
と、張り紙の貼られた芋虫型の寝袋を見つけた蜜柑は、めんどくさいと動かない蛍を引っ張り出した。
『俺はどーしよーかなあ…』
Aがどっちのチームに入ろうか悩んでいると、ガシッと誰かが腕を掴んだ。
『!…棗。…はいはい、じゃあ俺は棗チームで』
その言葉を聞いていた正田がガッツポーズをしている横では、流架が蜜柑たちの方をジッと見ていた。
その様子に流架に抱っこされていたウサギは気づき、ぴょんっと流架の腕から抜け蜜柑チームの方へ向かっていった。
流架「あ、うさ…」
ガシッとウサギを追いかけ蜜柑チームの陣地に入った流架を蜜柑は掴んだ。
蜜柑「えーー♡♡流架ぴょん!!うちに入ってくれるの?!」
流架「え…」
これはチャンスと、蜜柑チーム全員が流架を掴み離さず、流架は蜜柑チームに入ることになってしまった。
その時、パチっと蛍と目が合ったA。
なんだ?とAが首を傾げていると、蛍はどこからか分厚いファイルを取り出した。
『…?!』
ファイルの表紙に書かれた文字を見たAは慌てて蛍に駆け寄る。
『今井、お前…いつの間に…!』
そのファイルには“夏野A㊙︎写真集(あんなとこやこんなとこまで)“と書かれていた。
蛍「これをどうにかされたくなかったら…分かってるわよね?」
そう言い、がっしりとAの腕を掴む蛍に、Aはため息を吐いた。
その一部始終を見ていた棗の機嫌は、最高潮に悪くなった。
蜜柑「と、いうわけで。蜜柑チーム総勢8人でーす!!」
満面の笑みでそう言い楽しそうな蜜柑チームとは対照的に、空気の悪い棗チーム。
「おい…棗さん殺気が…」
「チームとしてはやる気になってくれて心強いけど…」
「でも相手チームにルカ君とA君だろ?もし間違ってでも2人にボール当てたりしたらどーなるんだ?」
「どうって……」
この勝負、分からなくなってきたぞ、と怯える棗チームだった。
流架「ご…ごめん棗」
『…悪いな、流石に逆らえん。すまん』
棗「……」
そうして、準備も整ったところで、ドッチボールの試合がスタートした。
「ジャンプボーール!」
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toyo3633(プロフ) - こんにちは、この小説を楽しく読ませてもらっています。学園アリスの特に男主ものが大好きです。これからも更新お願いします。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 5efbced553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カワサン | 作成日時:2021年5月10日 2時