23話 ページ24
棗「…こいつがアリスを見せれば済む話だ。早くしろよ、死ぬぞそいつ」
火に囲まれ身動きの取れない飛田はゴホッと炎から出る煙により咳が出ていた。
袖で鼻と口を覆ってはいるが、危ない状況に変わりはないだろう。早く火を消さなければ。
Aは棗の炎でも消すことのできるような、そんな物をどうにか作ろうと頭を働かせた。
蜜柑「うちにはそんな力…っ」
蜜柑は自分にアリスがないせいでこうなってしまったのだと、今はとにかく棗を止めなければと棗に懇願した。
蜜柑「出してるもんなら出してるっお願いやからもうやめてっっ」
しかし今度は蛍の周りに火を出した。
蜜柑「蛍っ」
『今井…っ(だめだ、間に合わないっ)』
棗の出した火を消すにはアリスそのものを無効化することができなければ、火を消すことはできない。
何とか設計図までは頭の中で完成させたが、それを作り上げるのに1分はかかる。
今この状況での1分は、とても遅い。
棗「ナルの連れてきた奴の言葉なんか胡散臭くて信じられっかよ。本性出さねーならもう1人いっとくか」
蜜柑「やめて…他の人間は関係ないやろっ
火を止めて!」
『棗っ頼むから火を止めてくれ!このままじゃ火傷じゃ済まないぞっ』
その時、たまたま近くにいたのか、うさぎの尻尾に火がついてしまった。
それに驚き逃げるうさぎに流架が気づき、そのうさぎを追いかけた。
棗「流架っ!?」
棗の気が流架にそれたその時、蜜柑は棗に掴みかかった。
蜜柑「火止めろバカっ」
『佐倉っ危ない!!』
棗「な、このっ」
蜜柑に押し倒された棗は、怒りに任せアリスを使った。
流架「あぶな…」
無事うさぎを保護した流架も、焦ったように声を発した。
その流架の近くには慌ててこっちにきたであろう鳴海の姿もあった。
確かに、強い力を使った棗。眩しい光が棗と蜜柑の間に生まれ、蜜柑は両腕で顔を覆い後ろに尻餅をついた。
…それだけだった。
その場にいた鳴海以外の全員が目を丸くし、驚いていた。一体何があったのかと。
棗「え……」
流架「…今棗、確かに強い力を…」
みんなが驚きで動けない中、鳴海は棗に近づき額にキスをした。
鳴海のアリスにより意識のなくなった棗。
鳴海「ふーー大丈夫だった?蜜柑ちゃん。大変だったね♡」
蜜柑「…先生、蛍っ!!委員長……っ」
棗の意識がなくなったことで、蛍と飛田を囲んでいた火もなくなり安心して涙を流すし2人に駆け寄る蜜柑。
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toyo3633(プロフ) - こんにちは、この小説を楽しく読ませてもらっています。学園アリスの特に男主ものが大好きです。これからも更新お願いします。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 5efbced553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カワサン | 作成日時:2021年5月10日 2時