ヒーローなんて。

13話 ページ14

Aside



その瞬間ヴィランも私達の存在に気づいた



するとおばあちゃんは私と繋いでいた手を離した



『おばあ…ちゃん？』

祖母｢A、逃げなさい｣



いつものおばあちゃんとは違う
きつい口調だった



『逃げる…?』

祖母｢そうよ、この場から立ち去るのよ｣

『じゃ、じゃあおばあちゃんも』

祖母｢無理よ、おばあちゃんはここに残るわ｣

『え…?』

祖母｢こう見えてね、おばあちゃん若い頃は
プロヒーローだったのよ｣



今考えるとこれはきっと嘘だと思う
私を落ち着かせるための嘘



おばあちゃんは
いつものようにニコッと笑いながら言う



祖母｢だから大丈夫、おばあちゃんは
このヴィランを倒してから行くわ｣

『う、うん！分かった、すぐ来てね！』

祖母｢…すぐに行くわ、
Aは警察かプロヒーローの所に
行くの。このことを伝えられる？｣

『うん！出来るよ！』

祖母｢やっぱりAはおばあちゃんの
自慢の孫ね｣

この時のおばあちゃん笑顔は嬉しそうな反面
少し寂しいような悲しいような表情だった



そして私は走って逃げた



近くにたまたまいた2人のプロヒーローに事情を
説明した



私は1人のプロヒーローに連れられて
大きな建物に入った



もう大丈夫だと安心した



この時は考えもしなかったよ



もうおばあちゃんはこの世に居ないなんて

14話→←12話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す