【歌い手】嫌よ嫌よも大好きのうち！？vol.2

volume58 ページ31

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…


『風邪ひくよ、なるせちゃん』

n「！……起きたんだ、体調大丈夫？」

『うん、だいぶ落ち着いたよ……なるせちゃんは、大丈夫？』

n「俺はちゃ〜んと調節しながら飲んでるからね、誰かさんと違って」

ははっと笑う彼は、やっぱりどこか元気がない
でもきっと、バレないように隠してるんだろーなって
だってなるせちゃんは優しい人だから


『………そうじゃ、、なくてさ。……何か悩み事、あるんじゃないのかなって』

n「…………何も無いよ、ただ外の空気吸いたくなっただけ」

『…嘘じゃない？』

n「嘘じゃない」

『私、何年推してると思ってるの？………そのくらい、顔見なくても分かるんだから』

ｷﾞｭｯ

『こんなに冷たくなって……ほら、戻ろ？風邪ひいたらゲームも配信も出来なくなっちゃうよ、ね？』


無理に聞くことはしない
だからせめて、今はゆっくり休んで欲しい
そう思って、そっと彼の手を引く

ｸﾞｲｯ

『えっ……』


でも、それとは裏腹に私の腕を引っ張る彼
言葉はなくても、戻りたくないって言ってるみたいで

『………ねぇなるせちゃん、どうs「もう少しここにいてよ」…ぇ？』

n「もう少し、二人でいたい」

『ｯ…で、でもここ冷えるし！ほら、なるせちゃんも体調崩しちゃうからっ』

n「……じゃーさ、」


ｽｯ

n「Aが寝るまで、一緒にいてもいい？(ﾎﾞｿｯ」

『ぇ…………///』


なるせちゃんの低い声が、息が
私の耳を擽る

『(ちっ近すぎるｯ///)』

n「ふっ、どーすんの？笑俺、いい返事貰えるまでここ動かないけど？」

『なっ！それはずるいよ！？』

n「ははっ、顔真っ赤じゃん笑暗くても分かるんだけど」

『な、なるせちゃんが変な事言うからじゃん！！』

n「はいはい、ごめんね笑ほら、Aも冷たくなってきたから」

ｷﾞｭｯ

『ｯ///』

n「早く行こ？」


きっと彼も酔ってて、私もまだ酔いが覚めてないから
だからこんなにドキドキしてる
でも嫌じゃないのはきっと、多分──。

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