不釣愛２ [藤原愁] (ページ3)

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第四十九話　食事ページ3

静弥side

あの後、母さんと父さんに話してAの両親にうちに泊まっても良いか聞き、了承を得た。愁とのことは少し濁して、心配をかけないようにした。

静弥「できれば数日のうちに解決したいけど…問題は愁だな」

さっき電話をかけてみたが、直ぐに切れてしまった。その上電源を切ったようだ。愁はああ見えて頑固だからな…。

静弥「・・・A、起きられる？」

『ん・・・おはよう』

静弥「おはよう。気分はどう？」

『まだ眠いけど、だいぶスッキリした』

静弥「なら良かった。・・・愁と朔晦、Aの両親にはAがここにいることは伝えてある。
少しの間うちに泊まる許可も貰ったよ」

『…わかった。ありがとう』

静弥「落ち着いたらリビングにおいで」

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Aside

愁にも言ったのに、泊ることに何も言わないってことは、愁は私の事何とも思ってないんだ…

静弥母「Aちゃん、ご飯食べられそう？多かったら残していいからね。小食なのは聞いてるけど、どれくらい食べられるわからなかったから」

『！…お気遣いありがとうございます。』

静弥母「Aちゃん、中学の大会以来じゃないかしら？随分大人びたわね」

『そうですね。よく送り迎えしていただいてありがとうございました』

静弥母「いいのよ～。そういえば、県大会予選突破おめでとう。桐先なら当たり前かもしれないけれど、一年生で団体戦のメンバーに選ばれるなんて凄いわ！」

『え、なんでそれを・・・』

静弥母「静弥がね。久しぶりに愁君とAちゃんに会えたって言ってきたのよ」

静弥「母さん、そんなことまで言わなくても…」

静弥母「照れなくていいのよ？湊君も二人に会えて嬉しかったって帰りの車でいってたんだから～」

『鳴宮君も・・・』

鳴宮くん、私が避けてるの気づいてないんだ…。まぁそういうのも鈍感そうだし、何でもポジティブに捉えるから仕方が無いか。
確か愁に敵意剝き出しの先輩にも普通に接していたし…。

その後、他愛ない話をしながら夕飯を食べた。主に弓道の事。愁の名前も殆ど出なかったから、気を使わせてしまったかな…。

でも、静弥のお母さんは温厚で包み込んでくれるみたいに私を気遣ってくれた。今は少しだけ、問題を忘れても良いのかもしれないな・・・。