第六話 桐先高校弓道部 ページ8
万「君も弓道部に入るの?」
『そうだよ』
千「へぇ〜藤原の幼馴染っていっても聞いたことないな」
何時も言われる。愁は凄い弓引きだから、隣にいる私が少し霞んでしまう。どんなに頑張っても、愁には追い付けない。
『弓道は中等部の部活程度しかやっていないからね』
愁「でも、Aは全国大会の三人立ちで中を務めた程の腕の持ち主だよ」
万「中学から初めて全国大会!?」
千「すげぇ・・・」
『買いかぶりすぎだよ…実際最後の大会でも予選落ちだから…』
愁「そんなことないよ。俺だって最後の大会では県大会どまりだ」
鳴宮くんが早気になった大会。静弥が中で愁は落だった。決勝を見に行ったけれど、見ていてとても辛かった。そういえば二人とも会ってないな…
『そういえば、静弥たちは?高等部に進学してないの?』
愁「湊と静弥は違う高校へ進学したよ」
そうだったんだ・・・
千「え?あの早気になった奴いなくなっちゃったの??」
万「千兄〜早気を馬鹿にしちゃダメだよ〜俺たちも早引きなんだから〜」
千「でもさ、早気になったってことは弓道辞めちゃったんじゃない?」
愁「…あまり友達を悪く言わないで欲しいな」
あ。あの目__________
愁は弓道や鳴宮くんのこととなると、周りが見えなくなりがちで、少し怖いと感じる時がある。初めてのライバルで、弓道を究めようと切磋琢磨してきた仲だ。彼の早気は、愁にとっても辛いのだろう。
『愁・・・』
千「じ、冗談だよ!あはは…」
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本村「皆さん、集まってくれてありがとうございます。僕は部長の本村です。顧問の武藤先生が職員会議で遅くなるそうなので、簡単な説明は僕と佐瀬で行います」
佐瀬「副部長の佐瀬だ。よろしく頼む」
本村「それでは早速、初心者の方は佐瀬のところへ。経験者の方は僕の所へ集合してください。女子は人数が少ないので、女子部長の剣城さんのところへ行ってください」
この後、実際に八射引き、実力を見て今後の稽古に生かすとのことだ。私は八射四中。愁は相変わらず皆中だ。双子は八射六中。
今後の稽古の予定表と入部届を貰って解散した。
愁「・・・A、ちょっといいかい?」
『どうしたの?』
愁「教室に忘れ物をしてしまったから、一緒に来て欲しいんだ」
愁が忘れ物?明日は雪でも降るのだろうか?
『いいよ』
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作者名:i | 作成日時:2023年3月21日 22時