第三話 後ろの席 ページ5
声を掛けたのは中等部からの親友、朔晦(たちもり)詩音だった。私たちの関係を知っているのは、詩音だけだ。
どうやら私の後ろの席だったらしい。
詩音「如何したの?そんなに驚いた顔して…」
『え、いや…』
詩音「皆ごめんなさいね。弓道部の貴公子、藤原君について聞きたいのは分かるけれど、入学式も控えていることだし、また後日ということでいいかしら?」
「わ、わかった」
「ごめんね、高槻さん」
『大丈夫よ。……詩音、ありがとう』
詩音「良いわよ。これくらい」
詩音は中等部の入学式で同じように質問攻めされていた私を助けてくれた。番号順ではいつも前後だから一緒にいるうちに仲良くなった。
『同じクラスだったんだね』
詩音「…クラス発表の掲示板、見なかったの?」
『うん。たくさん人がいたから、愁に見てきてもらったの』
詩音「…ふ〜ん。藤原君から聞かなかったのね。それにしても別のクラスで残念だったね」
『うん…でも放課後一緒に弓道場へ行くことになったから、教室で待っててって』
詩音「そう。良かったじゃない!」
ガラッ
担任「____皆さん、おはようございます。入学式の説明をするので着席してください」
150人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:i | 作成日時:2023年3月21日 22時