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桃side
緑「やって…そんなんだいきくんが可哀想すぎるわ」
桃「簡単に言わんとってください、俺やって自分の生活だけで精一杯です」
緑「そうやんな、簡単に言いすぎた」
んーっと悩む素振りを見せた神山さん。
緑「そうや、今日帰り濱ちゃんのところ行くか?」
桃「いいですね、行きましょう」
久しぶりに濱ちゃんに会えるからなのか、午後は気持ちを入れ替えて、ミスもなく仕事をこなした。
桃 緑「お疲れ様でした」
仕事を終えた足のまま、共通の友人である濱ちゃんのお店へ
紫「お、いらっしゃい」
桃「濱ちゃん〜」
緑「よっ」
少し小さな居酒屋の割に、いつもお客さんで溢れかえっている。
紫「奥の個室空いてんで」
桃「ありがとう」
俺らの特等席と言ってもいいくらい、ここの席で飲み食いするのが定番。
料理を頼んで暫くすれば、個室のドアが開いて濱ちゃんが顔を出した。
紫「はい、お待ちどうさま。これで全部な」
緑「ありがとうな」
桃 緑「いただきます」
食べながら、神山さんに だいきくんのことを沢山相談して。
終盤に差し掛かった頃。
緑「なぁ、濱ちゃんに話すん?」
ふと投げかけられた質問。
さっきも悩んでいた。濱ちゃんはなんでも相談に乗ってくれるし、口もすごく硬い。
本人は、言う人がおらんから言わんだけって言ってたけど笑
桃「いや、相談はしません」
緑「え?そうなん?」
桃「はい。まだ人の子供なので…色んな人に話すのはどうかなって思って」
緑「それもそうやな…」
桃「なので神山さん。これからも相談乗ってください」
緑「ふふ、了解。じゃあそろそろ帰ろうか」
桃「はい」
代金を払おうとカードを出せば、先輩らしく奢らせてや なんて言われて。
桃「神山さんほんまかっこいいですわ」
緑「ありがとう笑 じゃ、また明日」
桃「はい!ご馳走様でした」
いつもの分かれ道に来た。
ちょっと歩いた先の公園に、足を踏み入れる。
滑り台の下に居ただいきくんは、もちろん居ない。
桃「いるわけないよな…」
家がどこか知らんから、探すにも探せへんし。
まぁでもあまり遠くはないんやろうなと仮定。
桃「…………さむ、」
やっぱり夜は冷え込む。足早に公園を去り、家へと足を向けた。
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濱田崇裕 居酒屋の店長
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作者名:ヨン | 作成日時:2021年12月16日 14時