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桃side
二人が来てから暫くゆっくりしていた時。
緑「のんちゃん、俺だいきくんと買い物行ってくるな」
桃「え、俺も行きますよ」
黄「小瀧は家」
桃「……え、どういうことですか?」
うちで夕飯を食べていくならまだしも、
買い物帰ってきたら自分の家に帰るみたいやし…。
困っている俺を他所に、だいきと神山さんは準備してるし。
赤「のんちゃ!いってきます!」
桃「あ…、うん、行ってらっしゃい」
風のように去っていった二人。
呆然としていたら、中間さんに座るように促された。
黄「小瀧」
桃「………はい」
黄「小瀧と神山に出張の話が来てる」
桃「え…」
黄「場所は北海道。期間は一週間。
神山は行くって言ってんねんけど、小瀧は環境がちゃうやん。
やから、来週まで返事は待つ」
遠方出張は、今までも何回かあったし、特別嫌な訳やない。
でも今の俺にはだいきがいる。守るべき子がいる。
桃「断ることが出来るなら、お断りしたいんですが…」
黄「うーん、そうやな…」
中間さんが難しい顔をする理由は、よく分かる。
ここで断ったら、俺の評価が下がると同時に、
うちの店の評判も下がるに違いない。
オーナーという立場上、そういうのは避けたいんやろう。
桃「もう少し、待ってください……」
黄「全然待つから、ゆっくりでええよ」
頭を悩ませ項垂れる俺を見て、フッと笑う中間さん。
なんで笑うんですか って言おうとした時、
赤「ただいまー!!!!」
元気な声が、家中に響いた。
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作者名:ヨン | 作成日時:2021年12月16日 14時