昔の話 ページ23
緑side
お昼にやってるニュースを見ながら食べ進めていたら、
ちょんって突っつかれて。
赤「かみちゃ、これいらん」
そう言われた。
だいきくんの指さす方を見れば、ご丁寧にニンジンだけ避けてある。
可哀想やけど、やっぱり教育のひとつや。
緑「好き嫌いしたらあかん」
赤「なんでっ、いらん!」
緑「食べなおっきくなれへんよ?」
赤「ならんでもいい!いや!」
緑「あっ!」
暴れたせいで、コップが倒れ、中の水がだいきくんの方へ。
幸い量は多くなかったんやけど、びっくりしてもうたみたい。
緑「大丈夫?着替えよっか」
クローゼットからだいきくんの着替えを一枚取りだして、
濡れてもうた服を脱がせた時、
緑「えっ……」
思わず声が零れてしまった。
背中には火傷の跡や、傷跡。
もしかしたらさっき、俺がお湯をかけるとでも思ったんやろうか。
急な衝撃で動けなくなってしまった俺を他所に、
自分で服を着るだいきくん。
着終わっただいきくんを思わず引き寄せて、腕の中へ。
赤「かみちゃ、?」
緑「つらかったな……、」
なんで俺が泣きそうなんやろう。
泣きたいのはだいきくんやってのに。
赤「かみちゃ、なかんで」
あぁ、なんでこの子は
赤「わらってたほうが、たのしいで!」
なんでこの子はこんなにも強いんやろう。
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作者名:ヨン | 作成日時:2021年12月16日 14時