Touch and Go

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「ありがとう。助かったよ。笑」


「....ううん、これくらいは、」


「Aのそういうとこいいね。笑」


「、」




テヒョンのそんな一言にも




私に向けられる笑顔にも




いちいちきゅんとしちゃう私は
やっぱりおかしいと思う。




スープごちそうになったし




強引に連れて来られたとはいえ
迷惑掛けてお世話になったのも事実だし




後片付けだけでもってさせてもらったけど




そんなふうに言われるとか思ってもみないし




....だいたい、この笑顔ずるいでしょ。




そうだ、こんな笑顔向けられたら誰だって、




「送ってくから、落ち着いたら声掛けて？ 笑」


「え、」


「なに？」


「....や、別に送ってくれなくても一人で、」


「こんな時間に
女の子一人でなんて帰せないよ？」


「っ」




今度は真剣な瞳。




じっと見つめられて




きゅんとしちゃう事に変わりはないけど。




「だけど、」


「俺が心配だから送ってく」


「、」




やっぱり




悪い人じゃないのかも知れない。




でも、ここに連れて来た女の子みんなに
そう言ってるなら




やっぱり悪い人だし




....私は特別でもなんでもないって事。




だけど待って....？




私、自分の事特別だと思ってたの....？




「今何時だかわかってる？」


「え...」


「もう11時回ってるんだよ？
一人じゃ危ないでしょ」


「....」




ホントだ。もうこんな時間。




確かにこの辺、一人じゃ怖いかも。




「....ごめんなさい。そしたらもう帰る」


「ん、わかった。笑」




何も送ってくれなくても、とか




私だけに言ってる訳じゃないのかも、なんて
言ってる場合じゃない。




一人より二人、
女の子より男の人と一緒の方が安心だもの。




....テヒョンは危ないけど。




「忘れ物ないようにね？ 笑」


「....うん、だいじょう、」


「あっても次来た時
持って帰ればいいだけだけど。笑」


「え」


「一回きりじゃないよ？
Aとは相性いいみたいだし
気に入ったから。笑」


「そんな、」


「彼氏いないんでしょ？」


「いないけど、」


「じゃあいいじゃん。
ほら、帰るんでしょ？ 笑」


「あ、」




テヒョンはそう言うと




私のバッグを手に取って
玄関の方へ行っちゃったけど




また会うの....？




会ったらまた....。




「Aー？」


「....あ、うん、今行く！」






嬉しいと思ってる私は







一体なに....？





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