冷静に嘘をつきましょう。

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「ユンギ、飲んでる途中だったりした？」


「あ」




言われて思い出した。




「....途中だった」


「やだごめーん！私も飲むから飲み直そ！」


「ちょ、おい、」




Aの腕が俺の腕に絡まって




洗面所から連れ出される。




「まだちょっとくらい時間平気だよね？」


「平気だけど、」


「じゃあ飲も！次いつこんな時あるか
わかんないから！笑」


「....ああ、」




それはそうだ。




一緒に暮らすようになって




こんなに風に長い時間過ごすのは初めてだし。




.....まあいっか。




心臓に悪ぃけど。




「あれ、キッチンで飲んでたの？」


「飲んでたっつーかここで口付けたら
お前に呼ばれたから、」


「やだホントごめん！」


「いや、」




Aはようやく俺から腕を離すと




冷蔵庫から自分のビールを一本取り出して




プルタブを開けると俺に手渡して来た。




「おい、なんで、」


「お詫び。飲んで？笑」




Aのは本物のビール。




「はい、かんぱーい。笑」


「え、」




Aが手に取ったのは




......俺の飲みかけのビール(発泡酒)。




缶をカツン、と当てると




何食わぬ顔で口を付けて




......旨そうに飲んでるけど。




「やっぱりぬるくなっちゃってるね？笑」


「そりゃそうだろ....つーかなんでそれ、」


「だって飲まなきゃもったいないじゃない？笑」


「そうだけど、それ俺の飲みかけなんだから、」


「冷えたビールあげたんだからいいじゃない。
飲んで？笑」




......ホント、なんとも思ってねぇんだな。




まあ、いい歳してこんな事気にするのも
変な話だろうけど。




......間接キス、とか。




俺ってホント中学生みてぇ。




「....じゃあ、いただきます」


「うん。笑」




ニコニコしてるAを横目に
ビールを煽った。




あぁ.....やっぱり本物は旨い。




「美味しそうに飲むね？笑」


「...美味しそう、じゃなくて旨いんだよ」


「そっか。笑」




嬉しそうにしてるAは可愛いけど





少し視線をずらすと......






ダメダメダメ。







見たらアウトだから。





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