冷静に嘘をつきましょう。

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『ねえユンギー！髪乾かしたいんだけど
入ってもいいー？！』


「ちょっと待て！」




別に今更見られて困るもんでもねぇけど




こっちがほぼ全裸であっちがあんな格好じゃ、
俺の理性が崩壊する危険性がある。




「......お待たせ、いいよ」


「ありがと！笑」




バスルームのドアを開けると




待ってましたとばかりに
中に入って来るA。




......カーディガン着たのか。




肩ズッコケてるけどな。




「ユンギ相変わらず色白いよねー。笑」




......うるせぇ、ほっとけ。




お前だって白いだろ。




てか見てんじゃねぇよ。




....って俺もか。




「ていうかさー、乙女の前で上半身裸は
よくないんじゃない？笑」




何が“乙女”だ。いい歳して。




自分だって際どい格好してんだろーが。




肩丸出しで脚もほとんど出てるし胸も......ヤバい。




見ちまったじゃねぇか。




「お前こそ、そういう格好でウロウロすんな
っつっただろ」


「だってこれ部屋着だもーん。
家にいる時くらいリラックスさせてよー」


「......リラックスし過ぎだろ」


「えー、なんか言ったー！？」




ドライヤーのスイッチを入れると同時に
振り返るから




熱風が俺を直撃する。




「いいから早く乾かせっ！」


「はーい。笑」




Aの頭を強制的に鏡に向ける。




「ユンギも乾かすでしょー！？」


「乾かすよっ」


「じゃあ終わったら呼ぶねー！笑」




......俺は強制退去かよ。




これ以上ここにいたらヤバいから
いいんだけど。




とりあえずTシャツを着てバスルームを出る。




「....はぁ」




いつまでこんな事が続くんだ？




Aが好きだ、って気付いてからも




避けないで普通に接してりゃよかった.....。




いきなり“女”のAと同居なんて
色々もたねぇわ....。





「...ビール飲も」






勢いよくプルタブを開けて







乾いた喉にビールを流し込んだ。





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