【呪術廻戦】死んだ筈だった (ページ3)

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２話ページ3

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ずるりずるり

重たい体を壁に体重を預けながら進む
　

歩く道には多くのガラクタが散乱していた

「………何か違う」

ガラクタを見てふと思う

多少なりとも壊れていても原型が分かるほどではないのに見たこともない物が多すぎるのだ

「一体何処なんだ……？」

そんな事を考えながら進んでいくと冷たい風が流れ込んでくるのを感じた

「ようやく外か…………」

痛む足に冷たい風が当たる

多少なりとも痛みの和らぎにはなるが、完全に治ることはなく、長く続く痛みに苦痛になってくる

「………まずは外に出て情報収集だ」

外に出ても日の光を感じない

真っ暗な道がただただ広がっているだけだ

「………見たことのないものばっかだな」

暗い中目を凝らすがレンガ造りの家など見当たらない

見えてくるのはこの建物とおんなじように廃れたものだけだ

「っはぁ……少し動くだけでも痛い………」

ずるり、と床に座り込んで呼吸を整える

「……ん？」

違和感を感じる

呼吸を整えるときに聞こえてくる心臓の音が聞こえない

嫌に汗が流れていくのを感じながら胸に手を当てる

本来聞こえるはずの音がない

「何なんだよ……」

もしかしたら生きているのかと期待したのに

あの被害者面した遺族を殺せるかと思ったのに

「ちくしょー………」

だったら今動いてる私は何なんだ

死体が動くという話は処刑される前に脳天気なアイツらが怖そうに話していたのを聞いたことがあるが

待てよ

近くに落ちているナイフに手を伸ばす

「……はは握れんじゃん」

握れる、これが握れるなら殺せる

アイツらをやれる

「あぁ……なんて幸運なんだ」

神様など、当の昔に信じなくなった

だが今は

神を信じてやれるほどの優越感に幸福感にどっぷりと味を沈めれる

殺人鬼は笑った

今自分がおかれている状況を理解する前に憎い奴らを殺せる可能性だけに縋って

もう彼女の憎むべきものは安らかに生を終えているというのに

楽しそうに笑った

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