３０話 ページ33
世界は、消えた。
残ったのは、ただの闇と、孤独だけ。
あれは…………記憶。
人間だった時の。
一度死んで生まれ変わった身だ。
感情なんていらなかったんだ。
つきちゃんは、私の思い出の中の人だ。
同じ人物でも、違う。
つきちゃんにとって、私はAでも、妹でも、なんでもない。
ただの刀だ。
関係がない。
どうせ、こんなんだったら。
記憶なんていらなかったのに。
感情なんていらなかったのに。
新しい命なんていらなかったのに。
私なんていらなかったのに。
いつも、一人だったんだ。
つきちゃんがいなくなってから。
ずっと、何もなかったんだ。
笑顔も、涙も。
やっと会えたから。
嬉しかったのに。
君がいないなら―――いっそのこと――――
本当に消えてしまおうか。
世界が、黒から白になった。
『真っ黒な世界と、真っ白な世界なら、真っ黒な世界がいいよね。』
『真っ白な世界じゃ、希望が見えないよ。』
A「ほんと、一人ぼっち。希望なんて、見えやしないよ。」
涙が頬を伝った。
泣いても、叫んでも、最終的には何も変わらないのだ。
自分の姿が変わっていく。
小さな子供から、現在まで。
めまぐるしく変わっていく。
体は成長した。
刀剣として生まれた時まで。
服装も、変わっていく。
着物は、七五三の時。
かっこいい制服は、卒業式の時。
髪型も、変わっていく。
ショートカットの時は、確か、つきちゃんに切ってもらった時。
前髪が斜めの時は、つきちゃんと左右を反対にした時。
走馬灯だった。
最高の思い出。
あの時に戻れたら。
A「ばいばい。」
本当にさよならだ。
体が、透けて、消えていく。
不思議と、心の中に何かをまだ抱えていた。
紺色や、灰色の、桃色の、橙色の。
ここに来てからの記憶だろうか。
でも、どうだっていい。
鶴丸「そんなこと言わないでくれよ。」
誰かが、私の手を掴んだ。
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ゆうこりん。(プロフ) - 阿梨洒さん» うぉう！？本当ですか！？どこですかね！？ (2017年8月22日 17時) (
レス) id: 749403c5d3 (このIDを非表示/違反報告)
阿梨洒(プロフ) - 審神者の名前が刀剣の名前になってるけど…？ (2017年8月22日 13時) (レス) id: f7b3bf46d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこりん。(プロフ) - 紅桜さん» そんなに感動していただけたのなら光栄です。私も、過去編を書きながら、泣いてました。(何してんだよ)では、これから、鶴丸との話なので、鼻からケチャップが出てくるように頑張ります！ (2017年8月15日 19時) (レス) id: 749403c5d3 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - これ読み終わった後、視界がボンヤリして、目から塩水がボロボロこぼれ出てきました…。すごい感動しました！ (2017年8月15日 3時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこりん。(プロフ) - るこあ。さん» ご愛読頂きありがとうございます！(絶叫)そう言って頂けるととても嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年7月24日 23時) (レス) id: 3837e12811 (このIDを非表示/違反報告)
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