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22話 ページ25

次の日も、会いに行った。


その次の日も、その次も。



椿「じゃあね。」


A「またね。」



何度だって行ってやる。


さよならじゃなくて、またね。


ある日、言った。


A「つきちゃん、入れ替わろう。」


椿「は?」


これ以上辛いのは、嫌だよ。


悲しまないで。


気づいてるよ。


つきちゃんの手の、赤いあざが増えてってるのも。


つきちゃんがだんだん、やつれてってるのも。


A「ずっと、妖術の練習してた。


  今の私なら、入れ替われる。」


椿「どういうこと?」


A「こういうこと。」



ずっと考えてた、秘密の作戦。



目を閉じて、まぶたの裏から見える赤い糸が、光をさえぎっていく。



その状態で目を開けて、糸を払う。


A「ほらね、できたでしょ。」


容姿は、きっちりつきちゃん。



A「入れ替わろう。」


椿「Aは?」


A「大丈夫!私は妖術ができるから、今度は正式におばあさまに頼んで、会ってみせるよ!」


椿「本当に?」


A「本当だよ!絶対!」


椿「でも…。」


A「さあさあ安心して、ちゃっちゃと入れ替わりましょう!!」


つきちゃんの姿だと、明るい声が出る。


つきちゃんを、窓から引っ張り出して、道を教える。


A「ちゃんとお父さんとお母さんに言ってね。


  ちゃんと帰ってくるって。」



椿「うん。ありがとう。」


つきちゃんを、私の姿に変える。


A「一時間後に、解けるから。」


椿「またね、居なくならないでね、一緒にまた遊ぼうね。」


A「分かってる。大丈夫。


  早く、急いで。今なら大丈夫だから。」


椿「分かった。」







A「さよなら、A、つきちゃん。」




つきちゃんには聞こえない。


つきちゃんには、これから明るい未来が待ってる。


ごめんね、つきちゃん。


私、嘘付いたんだ。


もう、会えないかもね。


ここ、妖術が使えるものが入ると、


出られないようになってるの。


呪いをかけた本人が解かない限り。


ごめんね、ごめんね。


本当は最後だったんだ。


ごめんね、つきちゃん。


君に幸せになってほしい。









―――――大好きだよ、つきちゃん。

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ゆうこりん。(プロフ) - 阿梨洒さん» うぉう!?本当ですか!?どこですかね!? (2017年8月22日 17時) (レス) id: 749403c5d3 (このIDを非表示/違反報告)
阿梨洒(プロフ) - 審神者の名前が刀剣の名前になってるけど…? (2017年8月22日 13時) (レス) id: f7b3bf46d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこりん。(プロフ) - 紅桜さん» そんなに感動していただけたのなら光栄です。私も、過去編を書きながら、泣いてました。(何してんだよ)では、これから、鶴丸との話なので、鼻からケチャップが出てくるように頑張ります! (2017年8月15日 19時) (レス) id: 749403c5d3 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - これ読み終わった後、視界がボンヤリして、目から塩水がボロボロこぼれ出てきました…。すごい感動しました! (2017年8月15日 3時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこりん。(プロフ) - るこあ。さん» ご愛読頂きありがとうございます!(絶叫)そう言って頂けるととても嬉しいです!更新頑張ります! (2017年7月24日 23時) (レス) id: 3837e12811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうこりん。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月9日 22時

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