嘘つき少年【文スト】

嘘つきが21人 ページ23

放課後


文化教室についた頃には



既に双子はそこにいた




「…へえ、逃げないんだ」



まるで昔から僕のことを知ってるような




そんな言い方をした弟の明




「昔はさぁ、すぐに逃げてたくせに」



「それでも今よりはマシだと思うけど」



「誰にも話さない秘密の作戦」



「俺たちを助けようとして自らの心を犠牲に」




「「ねぇ。そうでしょ？」」



訳の分からない話をしている



僕の昔に何が起きてたの？





僕は。昔の僕を恨む



ああ、嫌だなあ。こんな自分は嫌い





「またそうやって逃げようとする」




何が言いたい



「んー。昔は利他主義。でも今は利己主義か」




『なんだよお前ら』




だんだんこの2人の目を見ると



怖くなった




「なんで、全部を背負うの？」



「そうそう。俺らを騙して、そして敵になるように仕向けた」



「その後に俺らを自由にして、全員背負う」



「罪を犯してまで」





「変わってしまったね。」



と悲しそうに、涙は言っていた





『…変わっていく僕を笑えばいいさ。1人が怖い僕を』



不意に、どこかで聞いた曲の歌詞を思い出し



その歌詞を口に出した




でも、これは僕は声を出したつもりはなかった



「不思議？これは俺の異能力だよ」



「異能力名はね、【真実の物語】」




『…』



「つまり君と相性の悪い異能力だよ」

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