天女なのに歓迎されてる件について。【忍たま】

策士 ページ7

「僕、悩みがあるんです」

兵太夫は私に自分の悩み的なことを話し始めた。
そういえば、この話をする前に名前をぽつりと言っていた。知っているんですよね………

「僕、中々素直になれないんです」

そういえばこの子は中々にツン要素が多めの子だよね。二年生の一部の子に煽り成分を付け足したような…あれ、二年生にも煽り要素あるな。ってことはほぼ二年生と性格似てるな、この子。

『そうなんだ』

「それで周りの人たちに嫌な気持ちをさせてしまったりするんです
謝るとしても結構ぶらっきぼうで。こんな僕をAさんはどう思いますか？
性格悪いやつって思います？」

『ううん…確かに誰かのことを傷つけるのはダメだと思うけど
兵太夫は優しいと思うよ だってこういう風に気にしてるんだから。性格が本当に悪い人は周りのことなんてお構いなしのはず』

アニメを見ていた頃の記憶では、この子は先輩思いで優しい子だった。
確かに皮肉じみたところは多いが、性格が悪いというわけでもなく、視聴者からも愛されていた。

「優しいって思ってくれるんですか」

『もちろん』

ほぼ即答で返す。
そしたら兵太夫は小刻みに肩をプルプルと震わせ始める。え、なに。

「…っ、ふふ、くはっ……
あっはっはっはっ！！！」

『は？？？』

肩をプルプル震わせ始めたと思ったら大笑いし始めた。
なに、私変なこと言った？？？

「くっ…ふふ、だっ、て
真面目に相談受けてるAさん、面白いんですもん
とりあえずこれでAさんが優しいってこと証明できましたし一石二鳥」

『おまっ……まさか試したな』

「その通り みんな、聞いてた？」

どうやら私は試されていたようだ。
兵太夫がそう聞くと、教室の中からはーい！と元気な声が聞こえてくる。
まさか一年は組全員が仕組んでたことだったのか…！？そういえば、廊下に出たときも周りから何も言われなかった。くそ、見事にはめられた。悪い意味ではないけど。

「これはもう先輩方にも言わないと〜」

としんべヱが言う。しんべヱはアニメでは口止めしてもうっかり言ってしまったりなんだりしていたから、口止めしても意味はないだろう。

『う…恥ずかしいって』

顔が温かいのが分かる。試すための相談に真面目に乗ったのと元から照れやすいことも関係している。

「Aさんやっぱり可愛い……」

『追い打ちかけないでほしいね』

さらに顔が赤くなった。それでからかわれたり更に可愛いと言われたり。
くそ、今日は災難な日だ。

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