天女なのに歓迎されてる件について。【忍たま】

グイグイ来過ぎて逆に怪しい ページ11

あれからあっという間に食べ進めてしまい、今はデザートの団子を食べているところだ。
ピリ辛のもののあとの甘いものは最高。ちなみに勘右衛門は全て食べ終わっているようだ。 ……団子食べてるところ見てないぞ？ということは一瞬で食ったな。甘党というのは本当なのか。

どうでもいいことなのだが、この勘右衛門という男、途中で相手に食べさせる行為…所謂あーんというものをしようとしてきたりやらせようとしてきている。勿論断った。まだ仲良くもないし、異性だから普通に恥ずかしい。
それはそうと、何だか視線を感じる。隣を見てみると勘右衛門とバッチリ目があった。

『あの、どうしました？
食べ終わったのなら、もう片付けに行ったほうが…』

「いや、天女様の食べてる姿可愛いなって」

『は？』

なんだこの人。会ったばかりの女口説き始めたんだが。
私はここでふえ！？とかいうような可愛い子ではない。すぐ顔が赤くなる私でも、これは冗談だと認知したのか顔は赤くならなかった。

『からかわないでください。私、先に行きますからね』

残り一つだけになった団子を頬張り、全て空になった容器が乗ったおぼんを持ち席を立った。
カウンターにおぼんを置き、おばちゃんにお礼を言う。うん、あれは本当に美味しかった。

『おばちゃん、ありがとうございました！とても美味しかったです
いつかお手伝いもさせてください！』

「はいよ！喜んでもらえてよかったわ
あら、いいの？それじゃあ今度お願いしちゃおうかしら」

『任せてください！』

料理担当もやってみたいけど、やっぱりご飯はおばちゃんの味じゃないとみんな嫌だろうから、お皿洗いとか注文とか聞く係やってみたいな。
…そういえば次すぐに全校生徒の前でスピーチじゃん。うわあ。気分のブレが本当に激しい。
とりあえず簡単に考えておこう。
私は食堂から出ていき、長屋を目指し歩き始めた。


「…本音だったんだけど。信じてくれないのかぁ…いつ仲良くなれそうかな」

そんな声は、食堂の様々な音に溶けて消えていった。

〜
長屋についてからあまり時間が経たない内に学園長先生が来た。
どうやらもう校庭に生徒が集まったらしい。早くね？忍者だから？いや緊急事態でもないし普通に動くか。

「スピーチすることは決まったかの？」

『あ、はい。とりあえずは』

「それはよかった！それじゃあわしに着いてくるのじゃ」

ああ怖すぎる。学園長先生についていっている間、私はずっとうつむいていた。

スピーチ→←勘右衛門と昼食

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