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第1.7話 白い影 ページ12

「だれだ」

「へへん、だ〜れだ、あててごらん」


光る影の声は男の子の声……
相手をバカにしたような、のんびりとした声が耳に入ってきた。


「お前は……もっけ! ガキがこしゃくな」


するともっけと呼ばれた何かと、
かまちという者が戦い始めた。

そんなことよりも、私はうなじが痛くて仕方がない。


「──今のうちにこっちへ来て」


次の声は、女の人の声だった。
すごく綺麗な声で聞きとりやすい。

その声と言葉を聞いて、どこにいるものかと目で探すと、

霧のような白い影が猫の形を作っているような者が
いたので、素直にそれについていった。

茂みに隠れて、猫みたいなのの手が額にふれる。
ふれた途端、うなじの痛みがやわらいだ。

同時に、足の痛みも。

そこで、


「あなたは……?」


そう聞いてみた。そしたら猫は答えた。


「わたしはスネリ。あそこにいるのはもっけよ。
安心して。私達は、あなたの味方よ」


私はそれを聞いて頷くと、
ゆっくりとまぶたを閉じて眠りについていってしまった。


──味方。なんだ、それ。
私はそう言って笑ってやりたくなった。

全てが投げやりだった。

大体、私は敵なんて持った覚えはないというのに。
どうして、こんな。ばかみたいに。


いくら授業がつまんないって言ったからって、
こんな仕打ちはひどいわ、先生。

…………。


…………………………………………

第1.8話 姉さんと彼女は・・?→←第1.6話 光る影


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年9月12日 18時

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