【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part5＞

２０８羽 ページ16

・
・



「あの5番、なんでこうも続けざまにブロックを……。」
「……白石、説明頼む。」


武田の呟きをひろった烏養がAにいう。「はい。」と返事をしてから、Aは話し始める。




「リードブロックは分かりますよね。伊達工のブロック方法で、トスを見てから飛ぶブロックです。そのリードって言うのは理解する、見たいな意味に当たります。


それに対して天童さんのブロックはある程度の予測と直感。通称『GUESS・BLOCK』

このゲスっていうのは推測するって言う意味です。だからあの人は『ゲスモンスター』って呼ばれてます。」




「ゲス！」と日向が反応する。それに対して少し笑ってから、Aは続ける。




「けどもちろん。直感と推測が百発百中な人なんていません。天童さんのブロックだって間違えやミスがあります。そこを一気に叩きましょう。決して惑わされないでくださいね。」
「おス！！」



タイムアウト終了のブザーが鳴って選手達がコートに入る。ボールを持ってエンドサインに構えるのは大平。サーブ権はまだ大平にある。

「もう一本ナイッサー！」という掛け声とともにジャンプサーブが放たれた。そのサーブが乱れたことに気づいて、Aは慌てて声を上げる。



「前です！」



Aの考えどおり、ボールはネットにあたって前に落ちる。それを澤村がぎりぎりのところでフライングレシーブで拾った。その落下地点に影山が駆ける。



「(読みと直感が貴方のブロックの売りですよね。天童さん。――でも。)」






―――



「飛雄。悔しでしょ、悔しいよね。」



タイムアウト中の影山の機嫌の悪さといったら半端ではなかった。苛立ちのオーラを撒き散らした影山の背中をAがバシッと叩いてそう言う。



「ったりめぇだ。」
「じゃあさ……今度は頭の真上、ブチ抜いちゃえ。」



ニヤリと笑うAに、影山が少し驚いたような表情を見せてから、冷静な表情に戻る。




「できたら苦労しねぇだろーが。」
「できるよ。言ったじゃん。あの人のブロックは読みと直感、だよ？読む前にブチ抜く……それくらい速いことできるやつがうちにいる。お前と、お前の"相棒"が。」



―――

２０９羽→←２０７羽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す