【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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「お願いしアース！！」



選手たちが大きな声を上げる。赤いゼッケンの星海くんと白いゼッケンの昼神くん。2人は別々のチームになってしまったみたいで少し残念だ。



「どっち応援していいか分からなくなるね。」
「嫌、アンタは赤でしょ。星海くん。」



そんな会話をしていれば試合が始まった。白チームからサーブが打たれて、ゼッケンの色が違うリベロの人がボールをあげる。それと同時に走り出すスパイカー達。勿論その中には星海くんもいて、彼だけ雰囲気が少し違う気がした。

セッターさんがボールの落下地点に素早く回りこむ。放たれたボールは綺麗な弧を描いた。



「光来！」



星海くんに託されたボールが彼の頭上に浮かんでいる。スパイク練習のときのように、獲物に狙いを定めたかのように星海くんは勢いよく飛び上がった。相変わらずの迫力に自然と目が見開かれる。

そんな星海くんのスパイクを阻むため、昼神くんをはじめ3枚のブロックが彼の前を塞いだ。星海くんより身長の高い3人がきっちり閉めたブロック。見ているだけで威圧感を感じるそのブロックを前にしても、星海くんの放つ独特な迫力は失われなかった。


大きく振りかぶって、勢いよく振り下ろされる腕。けれど星海くんはその体制からじゃ考えられなかった右方向へボールを打ち下ろした。多分ブロックを避けたんだろうけど、初心者の私でもそれがすごいことくらい分かる。

白チームの誰にも反応させることを許さず、ボールはコートへ落ちた。短く響くホイッスルとめくられた得点版。今度はちゃんとインだったボールに、白チームが「ナイスキー！」と声を上げた。



あまりに凄かったその光景。呆然としていた私だったけどはっとして、拍手をしながら小さく「ナイスキー。」なんて真似して呟いた。

タイミングか、それとも聞こえたのか。星海くんが突然こちらを向いた。それからピースサインを作って歯を見せて笑う。それは傍から見れば相手コートの選手に向けたように見えたけど、確かにあった視線から私は私へのサインなんだろうと確信していた。

違ったら恥ずかしいけど。そう思いつつも私も小さくピースサインをつくって笑って見せた。




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