【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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破裂音にも似た豪快な音が響く。あいた口がふさがらない、まさに今の私はその状態だった。


目下で行われているスパイク練習。テンポよく、絶え間なく続く強打の嵐に釘付けになる。順番で次に回ってきたのは昼神くんで、私はそれまでより少し身を乗り出した。

コーチっぽい人が投げたボールに向かって走っていく昼神くん。ボールめがけて飛び上がった彼は長い腕を振り下ろし、ボールを叩いた。綺麗に決まったスパイクに、ぱちぱちと小さく拍手を送る。



「あ、Aほら。」



友達が隣でそういった。その理由は次に構えていたのが星海くんだったからだろう。からかわないで、と告げてから星海くんに視線をやって、昼神くん同様少し前のめりになった。上げられたボールに狙いを定めたように鋭い視線を向け、走っていく。

星海くんが体育館の床を蹴って飛び上がったとき、他の人とは全く違う音が鳴った。それに呼応するように、誰よりも誰よりも高く飛び上がる。そのジャンプ力に思わず「すご……。」と2人揃ってこぼした。

彼が良く飛ぶことは知っていたしIHの映像でも少し見たけど……やっぱり間近でみるとその迫力は桁違いだ。


綺麗なスパイクフォーム、ボールを見る鋭い目つき。いつもと違う彼の雰囲気にぶるりと身震いすると同時に、彼はボールを打った。

……でも、そのボールはライン外に落ちた。星海くんの顔が絵に描いたようにぽかんとした感じになる。



「力んでるぞ光来〜。」
「ウ、ウス！」



そんな彼の姿に、友達と顔を見合わせて同時にふきだした。「人間だね〜。」と笑った私と、「Aがいるから緊張したんじゃない？」と笑う友達。その可能性をうけてはっとして、じわじわ顔が熱くなった。

もしも星海くんの今のミスが、私が見に来ているという事を意識してのものだったら、なんて。自分で考えといて恥ずかしくなって、赤くなった顔を隠すように俯いた。やっぱ慣れない……。



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その後も練習は進んで、時間もどんどんたっていく。それでも私達はめまぐるしく行われていく様々な練習の見学を楽しんでいた。

そして雰囲気と時間的にこれがラストの練習みたいだ。半分に分かれて2色のビブスを着ているところを見るに、試合形式のゲームだと思う。もちろん練習も面白かったけど、やっぱり試合が見れると鳴るとわくわくする。赤いゼッケンを身にまとう星海くんを見つめて、私は期待を膨らませていた。




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