【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ44)

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「僕もそう思ってたんだけど……、」

なんでも、引継ぎの作業が忙しいため今回はナイトアイ事務所には頼れないらしい。職場体験でお世話になったグラントリノも駄目だから、宙ぶらりんなんだとか。

デクくんの話に合図地をうったあと、切島くんが遠くで上鳴くんたちにサンタ服を着せられるかっちゃんに声をかけた。

「爆豪はジーニストか！？」
「あ！？……決めてねェ。」

ベストジーニストは今行方不明になっている。私もまだ、神野で迷惑をかけてしまったことを誤れないでいるから……無事でいるといいのだけれど。

「でもまーおめー使命いっぱいあったしな！行きてーところ行けんだろ。」
「今更有象無象に学ぶ気ィねェわ。」

そういいながら、服を着せようとする三奈ちゃんと言い合うかっちゃんの元へ寄る。三奈ちゃんに「貸してみ、」と声をかけて服を受け取り、背を向けているかっちゃんの背中に押し付けるように服を羽織らせた。

「しつけぇ！！」とこちらを向いたかっちゃんが目を丸くする。三奈ちゃんだと思っていたみたいで、私だったことに驚いているようだ。

「折角のクリスマスなんだし着たらいいじゃん。」
「着ねェ！！」
「え～？ほらほら、お揃いだよ？」

笑いながら自分の着ているサンタ服を見せる。「似合ってる？」と聞けば「スカートが短ぇ。」とじっとりした目で言われた。そこか～、とちょっと恥ずかしくなる。

「ねぇ～お願いっ！チョットだけでいいから！羽織るだけ、被るだけ！」
「……、チッ」

乱暴に差し出した服を受け取ったかっちゃんが、すっと服に袖を通す。それを確認して私が頭に帽子を乗せた。そのまま近くにあった椅子に雑に座る姿は機嫌を悪くしたペットみたいだ。「ありがと。」と笑えば「ならスカート伸ばせ。」なんて返してくるから調子狂う。

素直になって扱いやすくなったといえばなったんだけど……こういうのはやっぱりちょっと、慣れない。

「ひゅうひゅう～！」とからかう三奈ちゃんにやめてやめてと言っていれば、玄関のドアが開いた。

「遅くなった……もう始まってるか？」
「とりっくおあ、とりとー……？」
「違い、混ざった。」

「サンタのエリちゃん！！」

そこから表れたのはサンタの姿をしたエリちゃんと、その付き添いの相澤先生だった。「かっ、可愛い～！！「似合ってるねえ！」と場が盛り上がる。当のエリちゃんは「鬼はそと、鬼はうち」と豆をまいていた。エリちゃん、それは節分だよ。