第２２６話※一部変更あり ページ26
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「なあ、Aちゃんはどうなん？」
「ん？」
「種ヶ島先輩は守備力、遠野先輩は精神力でここにのこっとる言うとった。Aちゃんは自分はなにがあるんやと思うとる？」
突然の質問にAは小さく唸った。それはつまり、自分が胸を張っていえる特技と言う奴だろうか。サーブ、柔軟な動き、得意技……いろいろなことを思い浮かべるけれど、謙遜も相まってイマイチピンとこない。
それでも今、本当に悩んでいる白石に答えるために。謙遜などなく、"自分はここが誰より優れているぞ"と胸を張って言えるものとすれば……。
「全部ちゃんとやれること、かなあ。」
意思に忠実に呟いた言葉は我ながら理解し難い。首をかしげている白石に補足するように、Aは続けた。
「得意なこと、好きなこと、やりたいこと。それぞれあるけど……でも結局それって上には上がいるから。全ッ部ちゃんと努力するの。テニスにおいてすべきことは全部。
私は白石くんみたいに器用じゃないから、その結果得意不得意にばらつきがでたっていいし、寧ろそれが私の個性に、強みになってくれる。何かひとつを延ばすことも大事だけど、私みたいなヤツはそれじゃ足りないんだ。」
そこまで話して、思わず話しすぎてしまったことに気づいてはっとした。「ごめん！熱くなっちゃった！」と恥ずかしさで赤くなる顔のまま白石をみれば、彼は何かを考えている、という表情でいる。
「ひとつじゃなく、全部……。」小さく呟いた白石はじっくり考え込み、その言葉を咀嚼している。何気なく告げた言葉をそこまで捕らえられると恥ずかしくもあるけど、何かのヒントになったのならそれが嬉しい。
「それじゃあ私はこれで。いい答え見つかるといいね！」
「任しときや！」
これ以上の助言もヒントも、彼自身の意見の邪魔をすると思った。ガッツポーズで笑う白石に手を振ってAはそっとコートを後にする。自分を見ているようだったな、なんて思いながら。
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そうしてついに訪れた、準々決勝当日――。
「これよりU-17W杯準々決勝、フランスVS日本の試合を始めます！！」
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※当初とストーリーの予定を変更したためラスト(・・の後から)が少し変わっています。無計画で申し訳ないです…ご理解いただけると幸いです。※
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品！夢主ちゃん格好可愛いすぎます！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します！読んでいて，とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年3月18日 0時
