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第227話 ページ27





来るフランス代表との試合当日。今回選出されたのはカミュと因縁のあるデュークをはじめ白石や毛利、君島といった面々。そしてAもまた、選出メンバーの1人だった。


ギリシャ戦ぶりの試合ということで緊張も大きい。それでも日本代表としてやらねばらない。覚悟と不安に揺れて浮かない顔のAの肩に手を置き、入江は「君ならやれるよ。」と笑った。その笑顔に勇気付けられて、ネットをはさんでの整列に出る。


整列したとき、Aの正面にいたのは気の強そうな女だった。イングランド戦を観戦したときには見なかった選手だ。恐らく対戦相手は彼女だろうと、Aはその顔を見据える。対して女はAをキツく睨んでいた。



「フランスにも女の選手がいたんだね。」
「アイツがお前の対戦相手か。」
「……おそらく。」



控えにもどってきたAを出迎えた鬼と入江は険しい顔つきで女を見ていた。初めてみる選手という事で、事前情報の無さに困惑する。何か情報が得られればと、Aは乾の元へ向かった。



「乾くん、あの女の人のデータある?」
「いや、無いに等しい。彼女はマリ・ボアルネ、高校3年生。この大会で試合に出るのは今回が初めてのようだ。何せ15人制をとる国は少ないからな。ただ分かるのは、世界3位の代表チームに属する選手だということ。」



その言葉は彼女の強さを証明するのには充分だった。「マリ・ボアルネ……。」小さく彼女の名前を呟く。金髪の髪をかきあげるその姿を、無意識的に眉を寄せて見つめていた。







『第1試合、ダブルス2は――。』



実況とともにコートに出てきたフランス代表の2名の選手。彼らが登場した瞬間、会場が大きく沸いた。その殆どが女性の黄色い声で、イングランド戦を見たときのことを思いだす。



「凄い人気だね。」
「何でもイケメンすぎてテニス界を追放されかけたんだとか……。」

「さて……日本もイケメン対決でも負けてはならんのじゃ〜!!君島!魅せて来い!」




三船直々に任命された君島が「やはりそうなりますか!」と声を上げ、颯爽とコートに出る。そしてコート上でビシッとポーズを決めて見せた。フランスの選手に劣らない歓声が湧き上がる。流石だなとAは関心さえした。



「もう1人は中学生のイケメン……白石蔵ノ介!出番じゃ〜!」



君島のパートナーに選ばれた白石はぎゅっと強くグリップを握る。そうしてコートへ向かっていった。

第228話→←第226話※一部変更あり



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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品!夢主ちゃん格好可愛いすぎます! (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します!読んでいて,とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2019年3月18日 0時

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