【テニプリ】 U‐１７の１番コートには女の子がいるみたいです。2 【U‐１７】 (ページ19)

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第６９話ページ19

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その後もラリーを繰り返す徳川と越前。10球を当たり前のようにラリーする2人に、Aは思わず天を仰ぎ見た。

「さっきはしゃいだ私って何……？」

自分の弱さと不甲斐なさに思わずもれた本音。2人の……徳川の生き生きとした表情を見て乾いた笑いがこぼれる。それでもこみ上げてきたのは悔しいだとか言う感情ではなく、負けたくないという思いだった。

「この先も地獄を見る覚悟はあるか！」
「テニスやってんなら地獄でも楽しいに決まってんじゃん。」

目の前の越前にもう下卑た感情はわいてこなかった。純粋な彼に負けない、徳川を先に倒すのは自分だという意思が胸を支配する。それはきっと、越前を好敵手と認めた証。

だからこそ、目を背けるのを止めて2人をじっと見つめた。2人のプレーを焼き付けるように、じっと。

徳川が10球のラリーの中にさらにもう1球を構える。その光景にAは目を見開いた。

11球……10球よりも更に高い壁。徳川すら今まで挑んでこなかった球数だ。その初めての相手に越前を選んだという事実を気にする余裕は今のAには無かった。ただ目の前の光景を焼き付けようと、それに必死だった。

「ここから先は俺もまだ未知の領域。踏み出せば立ち止まりはしない。たとえ足が折れ、腕が砕けようとな！」

その言葉に臆することなく、越前は強気に「上等。」と返してみせた。その返事を聞き、徳川は静かに手に持っていた11球目の球を上げる。

「飛べ、次なる限界へ。」

「限界？悪いけど、まだまだだね！」

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