【テニプリ】 U‐１７の１番コートには女の子がいるみたいです。2 【U‐１７】 (ページ17)

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第６７話ページ17

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「私は……貴方を、越える！！！」

そう叫んで返した10球目が徳川の足元に叩きつけられた。徳川は決して返せなかったのではない、返さなかったのだ。Aの口から宣言されたその言葉を聞いたために。

当のAは10球を打てたという現実を飲み込むのに時間がかかっているのか、数秒方で息をしながら制止していた。そしてじわじわと、その現実を理解する。少しずつ、少しずつその目を見開いた。

「今……私、打ち返しました……？」
「……ああ。」

徳川が頷いたことによって感情が爆発したのか、Aは「やったぁ！！」とその場で飛び跳ねて喜んでみせた。歳相応……いや、まるで小学生のように無邪気に喜ぶ姿に、徳川の表情もほころぶ。

「そんなことより、さっき言ったことは事実か？」
「そんなことってなんですか！……というか、さっき……？」

まさか、とは徳川も思ったがAは本当に何も分かっていない様子。……無意識で叫んでいた、ということだろうか。

呆れたやつだと思わず苦笑いがこぼれた。「え、何ですか！？」と叫んでいるAに答えを返すことなくボールを拾い集め、もう1度ラリーを開始しようとした――そんな時だ。何ものかの存在を確認したのは。

「チーッス。リベンジに来たっス。」

黒いジャージに身を包み、帽子を被った背の低い少年……そこにいたのは越前だった。Aの目が見開かれ、思わず表情も強張る。

徳川は越前の存在を確認した後、「すまない。」と話を切り出した。その言葉に越前もAも驚き、徳川に顔を向ける。表情ひとつ変えないで、徳川は続けた。

「今は先約がある。その申し出はまた後日にでも、」
「あの！……大丈夫です、私なら。」

大丈夫ではないはずなのに、Aは咄嗟にそう言っていた。徳川との練習の時間を削がれると思って気を落としたのに、徳川が気を使ってくれたのに……それでも立場を譲ったのは相手が越前だったからだろう。

越前にとっては今日が来るべき日なのだ。その日に徳川へのリベンジを果たすことの邪魔はしたくなかった。同じく彼を倒そうという目標を掲げている者として。それに興味もあったのだ、中学1年にして圧倒的な才能を持つ越前と徳川の試合に。

場所を譲ってスタンドに移動する。一番下段のイスに腰掛け、2人の試合を見守ることにした。

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