256羽 ページ9
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「では、先に行ってますね。」
穴原が鷲匠とAを残して、先に選手達の元へ向かった。残された2人は打ち合わせや1日目の様子などを話し合い、十数分後には体育館へ向かった。
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「集合!」
体育の扉の外に差し掛かったお所で、穴原の声が聞こえる。途端に一斉に選手たちが集まってくる足音がして、Aはすこし緊張に鼓動を早めた。
「諸事情があり、今日から参加する人が居ます。キミ達からしたらスペシャルゲストかもしれないね。」
穴原のスペシャルゲスト、という単語に選手達は過敏に反応した。「スペシャルゲストだってよ!」とざわつくその場。Aはやり辛そうな表情を浮かべたまま、鷲匠の後に続いて館内に入る。
「コイツのどこがスペシャルゲストだよ。」
「ハードルあげないでください……。」
特徴的な真っ白な髪の毛をなびかせ、館内へ立ち入ったA。彼女の姿を視認して、選手たちは驚きに目を見開いた。
「うわ〜。」
「マジかよ……。」
「Aさんっ!?」
「なんで……。」
国見、金田一、黄金川らがそれぞれ個性的な反応をとる。その中でも五色だけは、ありえない物を見るかのように人一倍目を見開いていた。
予想外の人物の登場にざわつく選手たちを「はい聞いて、」と一声で嗜め、穴原は続ける。
「知っている人が多いと思いますが、白石Aさんです。この強化合宿のサポートマネージャーとして参加してもらいます。」
そこまでいうと穴原はAに目で合図する。自己紹介をしろという事だろう。一歩前に出て、選手達を見据えたAはユースのときと同じようにひとつ息を吸った。
「烏野高校排球部マネージャー、白石Aです。サポートマネージャーとして勤めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。」
ここでもまた再びざわつく選手達。皆、マネージャーが起用された理由や1日遅れた理由、その他もろもろを質問したげにわなわなとしている。そんな様子を察した穴原の「はいはい。質問は後で。」という言葉でその場は収まり、選手達は再び準備へと戻っていった。
その中に、冷や汗をかいてぷるぷる震えているオレンジ頭がひとり。その人物にAはにっこりと笑みを貼り付けてその笑みで物語るのだった。
「(後で覚えといてね?翔陽。)」
その人物――日向はその笑みに悪寒を感じ取ったのか、そそくさとAから逃げるように準備に戻っていった。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時