269羽 ページ22
・
・
仲良く(?)スポーツ洋品店でお目当てのものを買った一行。Aはこれから食材売り場へ向かうというと、音駒組は違う場所へ用があるといった。
「じゃーな。また会おうぜ!」
黒尾がにっと刃を見せて笑う。はい、と笑顔で返すと、握りこぶしを差し出されたので拳をぶつけ返した。
「春高、楽しみしてるから。」
「スガくんとか西谷くんとかによろしくな!」
「あと日向にも!ツッキーにもな!」
それぞれ言葉を残してその場を去っていった。残された大将とA、Aは大将に問いかける。
「大将さんはこの後は?」
「もう用事は終わった。から、Aちゃんについていこーかな。」
ニコッと笑う大将。先程までさんざん黒尾といがみ合っていたせいか、その笑顔や口調が作られていると感じた。けれどまあそれが大将なりの付き合い方であるし、掘り下げるところでもないだろう。
・
食品コーナーで材料を買い、大将ともお別れだ……と思っていたのだが。
「行きで迷子になりかけたんでしょ?送るよ。」
人の良さそうな笑顔を浮かべる大将。断ろうと思ったのだが、また迷子になるのは懲り懲りだ。
「じゃあお願いします。」
「はいよ。」
・
大将と話を弾ませながら歩く。春高のことであったり、黒尾についてであったり、ユースの合宿についてであったり、はたまた恋愛であったり。様々なジャンルの話しが行き交う。
「そだ。あいつらに邪魔されたけど……LINE、いい?」
「あ、はい。でもいんですか?美華さん怒りません?」
「友達と交換する分にはダイジョーブ……な、ハズ。。」
ほんとかよという感情を抑えて交換をすると、優という名前のLINE友達が入ってきた。大将の元にも入ったのか、携帯を見て満足そうに顔を緩めると「ありがと。」と微笑む。
「あ、もうここまでで大丈夫ですよ。あそこの体育館ですから。」
目の前に見える体育館を示すと「ここでやってんだ。」と細い目を更に細めた大将は「んじゃあここで。」で笑った。
「ありがとうございました、大将さん。」
少し笑うと、にこーっと笑った大将。そのすぐ後に「そうだ。」と呟いて続けた。
「これからは優でいーよ。」
「あ、はい。じゃあ優さんで。」
「えー、別にくんでも呼び捨てでもいいのに。」
「美華さんもいますし、優さんで。」
「はいはい。お堅いね〜。」
・
・
369人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時