270羽 ページ23
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「もどりました。」
買って来た食材などを調理員に渡して、備品もしまってきた。
一連の託されたこと終えて体育館に戻ってきたときには練習は終わってこそいなかったがそれこそ終盤のほうであることは一目瞭然と言った感じであった。
「遅かったね。」
火焼にそういわれて少しどきりとした。まあ音駒や大将とあって必要以上の時間をかけてしまったことは否定できない。
「都会の町、慣れなくて。」
「無理もないね。」
苦し紛れの言い訳は通じたらしい。どれほど宮城が田舎に思われているのだろう、と少し疑問を持ったが誤魔化せたことへの安堵が勝った。無理もないと笑った火焼にあはは、と笑って、練習に目を向ける。
丁度試合形式のゲームをしていた。圧倒的な攻撃力を誇る佐久早。乱れながらもすさまじい強打を返球する古森。地道ながたも丁寧な宮。驚異的なジャンプ力を誇っている星海……。
全国から集まっているというだけあってレベルが桁違いだ。
「(こうみたら飛雄もヘタクソだな……まあ全然やれてるほうか。翔陽がここに入ったらとんでもないことになるや。)」
佐久早のボールを顔面レシーブしたり、サーブをネットに当てたり、サーブの的になって守備範囲を狭められる日向の姿がなんだか容易の想像できて笑ってしまう。
影山も十分通じているのかもしれないがそれまでだ。まだまだ他のものには劣る。
「(でもこの合宿で伸びる。絶対。)」
そんな確信が持て、それも面白くて目を細めた。バシッ!と決まった佐久早のスパイクを見て、手に持っていたノートにいろいろなことを書き込んだ。
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「終了!」
火焼が選手達に声をかけると、選手達は一気に脱力した。随分疲れている様子を見せている選手達。あの影山でさえその表情は引きつっていた。
「飛雄お疲れ。顔しんでるけど?」
面白そうに笑っているAは影山に買って来たスポーツ飲料を差し出す。すると影山は「うるせぇ。しんでねえ。」と強がりながらも素直に飲み物を受け取ってぐいっと流し込んだ。
豪快に流し込まれていく飲み物。影山がペットボトルを口から離す頃には既に半分ほどなくなっていた。「豪快だね〜。」と少しだけ笑うと、影山は口を拭って体育館の出口へ向かっていく。
やれやれ、とでもいった風にため息をつき、彼の背中を追おうとしたとき。「Aちゃん。」と、名前を呼ばれた。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時