264羽 ページ17
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「おれ、拾いますよ?」
「あ、打たないのね。」
と、日向の言葉に苦笑いしていると、急に日向はまったく別の方向を向いて違う人物に話しかけた。その視線の先には五色。相も変わらず高テンションで日向は話しかける。
「お前はやんねえの!?」
「!何で俺が……。」
そういった五色に、てっきり参加するものだと表っていたためAは思わず言葉をこぼした。
「え、工やんないの?」
「(Aが俺に期待して……!?)」
Aからの視線と言葉に動揺する五色。まあその期待されているという考えは彼の思い込みにも近いけれど。そんな彼に追い討ちをかけるように日向が言った。
「お前のキレッキレストレートみせてくれ……!ブロックでストレート警戒しててもとめらんねーのなー!こうスパーンて!あれどうやんだよ!?」
日向の勢いにたじたじになる五色。そして日向に続いてAも言う。
「うん、確かにストレート凄い。っていうか工は総合的にやっぱ上手いからやってくれるとありがたいかな。」
そう日向とAが褒めちぎると、五色はわなわなと肩を震わせた。
「(ちやほや感……!)」
そして少し嬉しそうに言う。
「ス、ストレートだけでいいのかよ」
「クロスも!」
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「ボールいくよー!」
「お願いします!!」
Aが黄金川にボールを出す。そこから助走をつけてきた金田一にトスを出した。
ばしっときまったボール。その行く末を見ていると、日向がばっちりのタイミング、コースでボールを拾っている姿が目に入った。その姿におっ、と興味深そうに目を見開いてから黄金川に声をかける。
「黄金川くん、今みたくスピードある助走の場合もう少しふんわりしてていいかも。スパイカーの助走まで見て、ね。」
「ハイ!!」
自主練をしていると体育館の扉が開いた。そこから姿を現した斉藤に「白石!」と呼ばれ、斉藤の元へ駆ける。
「君に電話。教官室、着いてきて。」
「あ、はい。」
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繋がった状態にされていた受話器をとる。
「もしもし。」
「久しぶり。白石さん。」
どこか聞いたことのある声だった。必死に思考をめぐらせ、ある人物になんとか行き着く。
「ユースの……火焼さんですか?」
「ああ。急で申し訳ないけど実はキミにお願いしたいことがあってね。」
そして、告げられた言葉にAは目を見開いた。
「明日の昼から明後日までまたユースのほうへ……?」
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時