【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

２５６羽 ページ7

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しばらくして、ばちっと目が覚めた。寝ぼけ眼を擦りながら携帯を見ると、すでに出発時刻から1時間40分が経過していた。時間的にもうすぐ着きそうだ。時刻を確認していたら、LINEに通知が来ていることに気づく。



『宮城にはついた？』



今日登録したばかりの宮からのメッセージだった。おそらく方言でなまっているのだろうけれど、文面では伝わらないな、なんて。まだ少し眠い頭で『もうすぐです。』と簡潔に返してトーク画面を閉じる。通知を見れば影山からも通知が来ていた。

『ついたのか？』というメッセージを誤字をしたのか『つひたのか？』となっている文面に思わず笑ってしまった。何処の歴史的仮名遣いだ。テストでそれができればいいものを。

『つひたよ(笑)』とふざけ半分に返して、携帯を鞄に入れた。



「次は〜、仙台駅〜、仙台駅〜。」



次だ、とはっとして荷物を持って立ち上がる。止まった新幹線から1歩踏み出し、見慣れた地に下りて歩み出した。




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「ただいま……。」



帰ってきてそうそう、Aはリビングのソファにうつぶせに倒れこんだ。長旅の疲れがたたったらしく、どうも精神的に疲れた。そんな彼女を見てふふふと笑いながら、彼女の母は言う。



「おかえりなさい。結局ユースの合宿はやめたの？」
「うん。明日から宮城のほうの合宿行ってくる。」
「あら〜。我が娘ながら末恐ろしいわね〜。」



40代前半にして今だ30代前半にさえ見える彼女の母。やはり遺伝子というものは受け継がれるのだろうと他人に納得させてしまうほどに親子ともに美人だ。



「今日父さん帰ってこなくてよかったわね。説明面倒でしょ。」
「うん。絶対ユースにもどれって言うしね。」



Aの父はそれなりに厳しい。必ずユースを辞退したことを知れば再びユースへもどれと言うだろう。そんな父を嫌うと同時に、自らを養ってくれたことへの感謝も抱いている。複雑な心持だ。



「……親孝行しなきゃね。」
「十分よ。」



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「ところで明日、1年の強化合宿行くよね？――若利くん。」
「ああ。」
「Aちゃんはユースのほうに行ったんだってね。俺らが推薦した甲斐あったね〜。」
「……そうだな。」

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