２９４羽 ページ47
・
・
「でもどっちみち影山が何言っても納得しなかったら俺は言うこときかない！！」
「俺は内容はどうあれ言い方がむかついたから聞かない。」
「左に同じ。」
日向の言葉に田中と月島が共感する。東峰もおずおずと「まあ俺も優しく言って貰いたくもある。」と発言した。
「だからお前が王様かどうかはあんまり関係ない！！」
「……飛雄。おりこうさんにだって意見のぶつけ合いはできるんじゃない？」
「白石の言うとおりだ。「スパイカーが打ちやすい以上に最高のトスはない」、それはつまりコミュニケーションを探っていくこと。でも、喧嘩しないってことじゃねえと思うぞ。」
日向やA、烏養の言葉を受けて、影山は目を見開いていた。
・
少しの不安を残しながらも試合が再開する。繋がれたボールの落下地点に構えた影山は月島にトスをあげた。しかしそのトスは高く、あわないままコートに落ちる。けれどそれが単なるミスでないことは分かった。
「(蛍の打点を無理矢理……。)」
「おい、合わせねえからな。」
強気な発言に少し笑う。やっぱりこれでこそ影山で、これでこそ烏野だ。
続くトスでも影山は月島を使う。先程同様、今までの"合わせる"トスではなく"成長させる"トスだ。そして月島はそれにきっちりあわせてスパイクをたたきつけた。これはアウトになったが、言い傾向なのは間違いない。
「「セッターは支配者っぽくていちばんカッコイイだろうがッッ」、あんなふうにいってたことすんなり消えるわけない。」
日向が髪を手でぺタッと抑えて目つきを鋭くする。言葉とそのしぐさから察するに影山の真似をしているらしかった。それも随分初期の影山だ。
「どんなに良いコぶろうとしてもお前の本質は王様なのだ、観念するがいい！」
そういいながら、日向はいそいそと手に持っていたタオルで何かを形作る。そして影山ににじり寄ると、飛び上がって円形にかたちどられたタオルを影山の頭に乗せた。
「新"コート上の王様"誕生だァー！！」
日向の発したその言葉にAは一瞬目を見開いた。それからすぐに影山にタオルを顔面にぶつけられる日向の姿に思わず笑みをこぼす。そうしていると、「Aも！」と日向に名前を呼ばれた。あまりに唐突で、「え？」と素っ頓狂な声を上げた。
そんな彼女に日向は真っ直ぐに言う。
「お前はとっくに白鳥沢の白鳥じゃないんだからな！！お前は烏野の白鳥だ！」
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか？？お話がすごい気になります！！ (2021年7月31日 1時) (
レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません？なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いだなんて畏れ多い…！凄く励みになります…！御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω｀) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます･･･！お待ちいただいてありがとうございました！楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω｀) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですｗそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです！ (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(｀_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2016年12月23日 21時
