274羽 ページ27
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「ひー!ビビったー!全国3本指に普通とか、スパイクの威力ないとか言うから!」
千鹿谷がぐーっと体をのけぞらせながら言う。その言葉にAは「だってー。」と返し、影山はクエスチョンマークを浮かべた。
「まだ普通に見えるって言ったんだ。」
「まあおんなじくらい生意気なこと言ってるけどね。」
真顔で言う影山にやれやれといった表情を見せたA。千鹿谷はそんな2人に若干苦笑いしてから、とある人物へ目をやった。
「……皆レベル高いけどさー。特にあの人なにもんだろうな?2人知ってる?」
「知らねえ。」
「……星海、光来さん。」
千鹿谷の問いかけに静かに答えたA。「知ってるの?」と未だに緊張した様子の千鹿谷にAは小さく首を振った。
「名前だけ。あと……身長は169cmだったかな?」
「170ないんだな……。おたくのMBと同じくらい跳んでる?」
主に影山のほうを向いている千鹿谷。影山もAも、その言葉に箸を止めた。
「――いや」
「――いや」
「アイツより跳んでる」
「翔陽より跳んでる。」
そして静かに、同時にそう答えた。
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「お、白鳥チャン!」
風呂からあがったAが用意された部屋に戻っている途中。同じく髪のぬれた古森に出会った。
隣に佐久早はいない。こちらの隣にも影山は居ない。そんな状況下で話しかけてきたという事は古森単体がA単体に用があるという事だろう。
「どうも。」
「白鳥ちゃんも風呂上りかぁ!くくってるのもいいけどおろしてるのも可愛いな!」
終始笑顔の古森。恥ずかしげもなくさらっというものだから、反応に困る。苦笑いで「どうも。」と返した後、とある疑問が浮かんだため問いかける。
「あの、なんで白鳥チャンなんです?呼び方。」
「んー?まあ別に深い理由はねえな!なんつーか呼びやすいからかな?」
「なんですかそれ。」
思わず少し吹き出して、くすくすと笑う。すると古森はまるで珍しい物を見たかのような表情になった後盛大に笑い出した。デジャヴを感じながらも、一応「何ですか?」と返すと、ヒーヒーとお腹をさすりながら答えた。
「いや!笑った顔が友だちんちの犬そっくりでさぁ!」
笑うのが珍しい、と返されると思っていた分、思わずぽかんと口を開けてしまう。その後Aも古森と一緒に「犬って……!」と笑った。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時