漆黒を纏う少女【REBORN】 (ページ26)

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022 Street performance ページ26

あんなに仲が悪かった姫亜薇と飛向はもうすっかり仲直り？をして、互いに話し合ってたりする。

「わぁっ！見てみて！」

その姫亜薇の言葉に二人は目の前の光景を見た。

「…サーカス、じゃね？…確か【日本】でもやるやつで。」

「んー。近いとも言えるわね。だけど、サーカスじゃなくて、これは、【日本】でいう”大道芸"ね。ほら…」

姫亜薇は不思議そうに、Aの視線を追っていく。飛向も同じように。

「ほーら、ほーら、みんな見てくださーい！たくさん回しております～」

回しているのは、ピンや、お手玉人それぞれ回しているのはちがかった。

中には、技を失敗して、頭に当たって気絶する人まで。

「…わ、わぁ…痛そう…」

予想外の姫亜薇の言葉にAはオロオロしながら、語りかけた。

「で、でも、楽しそうでしょ？」

そう。皆、楽しく笑いあっていた。疲れ果てていながらも笑うというのはよっぽど楽しいのだろう。

「……そうだなぁ～俺もやっ…」

飛向の言葉が急に途切れたと思えば、何者かの気配を感じる。

「……あっ、あの時のマフィアさん？」

そう口にしたのは、今さっきは大道芸を無我夢中で見ていた姫亜薇。

「あ？なんだ？そこのチビ！やられたいのか？」

と、男の不良ぽいマフィアは恐声で言い放つ。

「……ったく！めんどくさいことしやがって！姫亜薇、後で覚えとけ！」

その飛向の言葉に苦笑しながら、こくりとうなづいた。

「…まぁまぁ、いいんじゃないの？」

二人を宥めつつ、Aは酷く冷酷な笑みを浮かべそう告げた。

「でしょー！だって、これは、”Street performance”だもの。」

意味が分かったといわんばかりに姫亜薇が告げるその言葉は、”大道芸"を意味する言葉。きっと街の方には、悲しんでほしくないんだと思い選び抜いたもの。

「…さぁ！今からこのキザなお人達と私たちが繰り広げる物語！見てってくださいね！」

可愛いらしく、でも、明るい声で彼女がそう言うと、皆目をキラキラさせて待っていた。

「……嗚呼。大変なことに。仕方ないかなぁ～」

「…仕方なくはないと思うんだけど……」

とまぁ、呑気な会話をしている飛向とAも加勢はするであろう。

この三人はある特徴で優秀なのだから。

出逢ったら、最後は喜劇か、悲劇で終わっていく。

争いを望まぬあの方に使えている守護者なのだから。