ERROR！ver.2【浅野学秀】【赤羽業】 (ページ9)

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am10:20-tea time- ページ9

浅野は隣でAのことを放置しよく冷えたクリイム餡蜜を頼んだ。Aもすかさずそれに便乗し、運ばれてくるまでの間店内を見渡す。

年季の入った木造の茶屋は匂い立つように艶やかな店内で、色硝子の灯が華やかに存在感を示している。

少しして運ばれてきたくもった硝子器には、賽の目状の寒天とみつ豆が盛られていて、隙間にはおぐらが白玉とさくらんぼと一緒にぎゅうぎゅうにつめられていた。

初めて見るそのフォルムに恐る恐るスプーンで掬って口に運ぶと、冷たい甘さが舌先でそっと溶ける。

『めちゃくちゃ美味しい……』

『日本の甘味は初めて食べたのか？』

『はい、これ本当に美味しいです』

『そうか……そういえばタウゼントはテスト中どこにいたんだ』

『あるペーパーテストと先生と少しお話がありましたので、初日は2時間ほど旧校舎にいました、2日目は家に』

『ペーパーテスト？』

『諸事情により、ですが』

『とことん秘密主義だな』

『そんな、褒めなくても……』

『褒めてない』

からん、とアイスティーを混ぜる。

『学秀はテストの出来はどうだったんですか？』

『ふ、Ｅ組と馬鹿げた賭けをすることになったが負けるわけがないだろう』

『随分と自信がおありで』

『当たり前だろう、明日の答案返却が楽しみだな』

『賭けの報酬で、もしそちらが勝ったらＡ組はＥ組に何をさせるおつもりなんですか』

『……最近理事長がきな臭いんでね、君のことも含めてＥ組は何かを隠している、それを問いただしたくてね』

『なるほど、まあ私のことを知りたいなら勝てば良いですよ、なんなら今からチェスでもします？』