頭部に殴られるような痛み ページ23
頭がガンガンと殴られているような感覚。
枕に手を付き寝台に痛みを逃がすように固まるが、いくら力を込めても痛みは逃げない。
死んだ方が絶対マシ。
でも死んだらもう遊べない、それはイヤ。
冗談でも考えてないとやってられない。
無理だってこんなの、辛すぎる。
リュウ、私の周りから刃物遠ざけておいて。
気が向いたら自害しそうな気分。
こんなのをお兄様たちはやったの……強靭すぎる。
でも十三歳でやったわけだし私少し早いわよね。
じゃあ私は余計辛いかもしれない。
いいなお兄様たち。
あぁ痛い、頭が割れそう。
体が寒くなってきて震えてる、発熱の前兆か。
はぁ、むり、むり、つらい。
耐えられない。
これ手違いでぽっくり逝っちゃったりしないよね。
ガラク薬室長とリュウ、信じてるからね。
とりあえず寝よう、気絶でも良い。
早くこの痛みから逃げたい。
+++
____……目を開けると、終わりのない森が続いていた。
後ろを振り向くと、今まで歩いてきた細いけもの道が闇に飲み込まれているのが見える。
何かが追いかけてきている?
それともただの夜闇?
視界の横、木々の合間には琥珀の温室が所々に点在していて、その中ではひたすら昔の懐かしい思い出が繰り返されている。
____くん。
なんでこんなにも会いたいと思っているのに。
名前が出てこないのよ。
会いたい。
心細いよ。
約束したのに____。
前を向くと、同じ背丈ほどの人影が迫っていた。
黒い影のようにぼやけていて、その人の手が動けない私の元へ向かう。
細い指が首を這い、思い切り絞めてくる。
真っ黒な人影の二つの瞳が、自分を見つめた気がした__。
花緑青の、綺麗な瞳。
そうよ、彼も同じ目をしてた。
リュウと同じ綺麗な瞳。
苦しくなってきた。
……そういえば私ガラク先生に報告していた。
友達が出来たって。
どんな子なのかも、名前も、言った気がする。
ガラク薬室長なら覚えているのかな。
あぁ、もう限界。
頑張って思い出すから、思い出したいから。
もうやめて
「____」
Aが眠りに入って数時間、うなされる彼女がうわ言のように呟いた言葉。
その言葉に、リュウは目を見開いた。
「痛みから来る悪夢かしらね。リュウ、貴方いつの間に"リューくん"だなんて呼ばれる仲になったのよ」
ただ呆然としているリュウ。
その様子を見てガラク薬室長は小さく呟いた。
「まさか……ね」
81人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天泣tenkyu(プロフ) - 黒髪の白雪姫さん» こちらの作品も読んで頂けるとはっ、とても嬉しいですありがとうございます(*^_^*) (2018年2月5日 23時) (レス) id: 141d644f20 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - お久しぶりです(〃^ー^〃)この作品にお邪魔します♪凄く面白いです!( ^ω^ ) (2018年2月4日 16時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天泣 | 作成日時:2017年11月29日 22時